1兆ウォン超の赤字抱える韓国鉄道公社、4年ぶりのゼネスト突入

鉄道労組「KTX・SRT統合せよ」
民営化反対を名分に列車を止める

 全国鉄道労働組合(鉄道労組)が14日午前から4年ぶりのゼネストに突入、列車の運行停止や地下鉄運行本数削減などが相次き、市民は混乱と不便を強いられた。ソウル地下鉄1・3・4号線では仕事帰りの会社員たちが普段より30分以上遅れている列車を待つ羽目になった。韓国高速鉄道(KTX)の運行は通常時に比べ76.4%だった。中でも貨物列車の運行は通常時の26.3%にとどまり、輸出入貨物の運送などに支障を来たした。同労組は18日午前までストを行う。15日の通勤や週末の観光客も不便を強いられる見通しだ。

【動画】地下鉄駅でエスカレーターが突然逆走…雪崩のように崩れ落ちる乗客たち

 韓国国土交通部の元喜竜(ウォン・ヒリョン)長官はこのストライキについて、「鉄道の主人公は国民」「鉄道労組が守らなければならない場は政治闘争の戦場ではなく、国民の日常生活を守る仕事場である鉄道現場だ」と交流サイト(SNS)「フェイスブック」に投稿した。 韓国政府は韓国鉄道公社(KORAIL)に対する改革を推進している。KORAILは今年から2025年までの3年間で1兆2000億ウォン(約1330億円)を上回る当期純損失を出す見通しだ。今後5年間の利子費用だけで1兆8000億ウォン(約2000億円)と予想されている。一日の利子費用だけで10億ウォン(約1億1110万円)ずつ発生しているのにもかかわらず、労組は自助努力どころか政治ストライキを強行しているということだ。昨年は五峯駅で死亡事故が発生し、永登浦駅ではムグンファ号脱線により乗客数十人が負傷するなどの事故が相次いだ。国土交通部は現在、鉄道施設維持・補修や管制業務などをKORAILから分離する案などを「鉄道改善案」の一つとして検討中だと言われている。

 鉄道労組はこの日、ソウル駅などで「ストライキ出征式」を行い、「政府が今のように水西駅発高速鉄道(SRT)をKTXと分離運営することは長期的に見ると鉄道民営化のための手順だ」として強く反対した。政府とKORAILが要求案を受け入れなければ、今後第2次、第3次ストライキを決行するという。これに対して、国土交通部は「SRT・KTX分離運営は高速鉄道競争体制を強化するためのもので、鉄道民営化は全く検討していない」と述べた。競争体制は労組に振り回されているKORAILの体質改善のためにも避けられない、ということだ。 政府は2016年のSRT発足以降、それまでKTXが独占してきた高速鉄道に競争が導入されたことにより、サービス改善や料金差別化などが実現してきたと考えている。

チェ・ソンジン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲14日午後、ソウル市中区のソウル駅前で行われた「ストライキ出征式」で、シュプレヒコールを上げる全国鉄道労働組合(鉄道労組)の組合員たち。写真=news 1

right

あわせて読みたい