米国のバイデン政権は14日、ロシアと関係する約150以上の団体や個人を対象とする新たな大規模制裁を発表した。米財務省は海外への制裁を担当する「外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control:OFAC)」の対ロシア制裁リストを同日更新し、ロシアと取引を行った疑いのある第三国の企業や個人を新たにこれに加えた。
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米財務省幹部は今回の新たな制裁についてロイター通信の取材に「ロシアによる制裁逃れを支援し、ウクライナ戦争に必要な物資を提供した容疑で五つのトルコ企業と1人のトルコ人に対する制裁を発表する」と明らかにした。
NATO(北大西洋条約機構)加盟国のトルコもロシアと関連する2次制裁を回避できなかった形だ。米国はすでに制裁対象となっているロシアの団体と取引を行った団体や個人を2次制裁の対象としている。
今回制裁対象となったトルコ企業はロシア国防省関連の制裁対象船舶を修理し、民間船舶の軍用転換を支援したという。米財務省が明らかにした。
中でもトルコ企業のマルキアナ建設については「ウクライナ戦争に使用可能な軍用無人機(ドローン)の製造に必要な部品を納入した」との容疑で制裁対象となった。さらに同じトルコ企業のデミルチ情報技術も軍用無人機に使用するセンサーや測定機器をロシアに輸出したという。
また財務省とは別に米国務省はロシア国防省と関係する制裁対象の船舶を修理した容疑でトルコ企業のデンカール船舶とID船舶代行を制裁対象とし、船舶に必要な電子部品を仲介したCTL有限会社も制裁対象とする方針だ。これらの制裁はロシアの産業基盤はもちろん、海洋分野や技術面でのサプライチェーンをストップさせ、武器の製造や修理を阻止する効果があるという。米政府関係者が伝えた。
昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻以来、米国や西側各国はロシアに対して集中的に制裁を続けているが、黒海を挟む隣国のトルコなど一部の貿易拠点はロシア向けサプライチェーンの一部として今も機能している。米国は「一部の国からこれらのルートを使ってロシア向けに化学物質や半導体、戦闘に使用するその他の物品が輸出されている」として「制裁に違反する可能性がある」と警告してきた。
米財務省のウォリー・アデイエモ副長官を含む財務省幹部らはトルコ企業によるロシアの制裁逃れ支援を阻止するため、昨年2月以来複数回にわたりトルコを訪問していた。
ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員