砲弾不足ロシアが北朝鮮と取引、それさえも韓国政府のせいにする共に民主党【9月15日付社説】

 韓国野党・共に民主党のスポークスマンが「北朝鮮とロシアの首脳会談実現に最も貢献したのは尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領だ。尹錫悦政権による理念外交、陣営外交が北朝鮮とロシアの軍事協力を招いた」「韓米日軍事協力は逆に北朝鮮とロシアの軍事協力という結果をもたらした」などと主張した。また同党の院内代表は「尹錫悦政権の硬直した対北朝鮮政策とバランスを失った外交政策がもたらした敗北だ」と述べた。

【写真】「民団に招待されなかった」→「民団の行事知らなかった」…尹美香議員、韓国大使館に責任転嫁

 北朝鮮とロシアによる今回の武器取引は、ウクライナ戦争の長期化でロシアが弾薬不足となったため、北朝鮮から砲弾の支援を受けるために行われたものだ。今世界でロシアに砲弾を支援できる国は北朝鮮しかない。これに韓国政府がどこでどう関与したというのか。共に民主党の主張通り韓国政府が韓米日協力をしていなければ、ロシアは砲弾不足にならなかったのか。世界がロシアによるウクライナ侵攻、そしてそれに必要な武器を北朝鮮から得る行為を批判しているが、このあしき取引によりいわれのない被害者となりそうな韓国で、野党は北朝鮮とロシアではなく韓国政府を非難している。完全に的外れな「他人のせい」にも程があるのではないか

 北朝鮮とロシアの双方が会談の結果を非公開としているため、具体的な内容は知る由がないが、プーチン大統領は偵察衛星技術の支援に言及し、金正恩総書記はロシアの最新鋭戦闘機工場と太平洋艦隊を視察する予定だという。もしプーチン大統領が北朝鮮に原子力潜水艦や最新鋭戦闘機など先端兵器を支援すれば、これは韓国の安全保障にとって直接の脅威となり、韓国とロシアとの関係においてもいわば一線を超えるものとなるため、自衛権発動の次元からウクライナへの支援検討も考えられるだろう。これもロシアの間違った行動を抑制する一つの策になるからだ。しかしこれについても共に民主党議員は「韓国の参戦宣言と全く同じではないのか」「狂った行動だ」と批判した。これが参戦宣言になるのなら、今ウクライナを支援している世界数十の国々は全て参戦宣言をしたことになる。ロシアが北朝鮮に韓国攻撃用兵器の支援を行う時に、これを「手をこまねいて見ていろ」と主張する人間たちが韓国の国会を掌握しているのだ。

 共に民主党の一連の言動は今年5月のイ・ヘチャン同党顧問の発言を思い起こさせる。その当時韓国政府はウクライナ支援を検討したが、これに対してイ・ヘチャン顧問は「韓国はウクライナに何の世話にもなっていない。なぜ戦争に関与する必要があるのか」と発言した。しかし今回の北朝鮮とロシアの武器取引は韓国とは何の関係もないところで、ただロシアの必要によって実現した。無責任な偏見と見方で韓国の安全保障を語るべきではない。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲ロシア・アムール州のボストチヌイ宇宙基地でプーチン大統領と握手する北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記(左)。13日撮影。/労働新聞、ニュース1

right

あわせて読みたい