鉄道スト2日目 列車の運行減り不便続く=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国の全国鉄道労働組合(鉄道労組)が14日から公共鉄道の拡大などを求め4日間の全面ストライキを実施しており、列車の運行に支障が出ている。スト2日目の15日も大きな混乱は生じていないものの、列車や地下鉄の運行本数が普段より減り、人々は他の交通手段の利用を余儀なくされている。ストは週末も続く見通しで、旅行客らの不便も予想される。

◇旅客列車の運行率60~70%に低下

 鉄道ストの影響で、南東部の釜山駅を発着する高速鉄道(KTX)の運行率は普段の70%台に低下している。釜山に住む50代の市民は、首都圏(ソウル市、京畿道、仁川市)の大学に通う息子が列車を予約できず、今週末に予定していた家族の集まりを取りやめたと話す。他地域でも、KTXなど旅客列車の運行率が普段の60~70%ほどに落ち込んでいる。

 列車の運行本数が減り、韓国鉄道公社(コレール)のアプリへのアクセスが急増しているなか、列車の代わりに電鉄やバスを利用する人もいた。

 北東部・江原道の南春川駅にいた大学生は「週末を利用して久しぶりに本家を訪ねるつもりだが、ストのため適当な時間帯の列車がなく、バスで向かうことにした」と話した。江原道・春川からソウルへ向かおうとしていた60代の市民も、両地域をつなぐ特急列車がちょうどいい時間帯にないため電鉄を使うと語った。

 列車の運行状況に気をもむくらいなら自家用車を使うという人もいる。仁川からソウルの職場に通う30代の市民は「普段からソウル地下鉄1号線を使うときに遅延が多いと感じていたが、ストまで重なった。毎朝やきもきしたくないので、当分は車で通勤することにした」と明かした。

◇鉄道輸送量が半減 「長期化なら影響大きい」

 ストで貨物列車の運行も減っている。首都圏の物流拠点、京畿道・義王の内陸コンテナ基地では鉄道による輸送量が普段の半分程度に落ち込んだ。鉄道ストが始まった14日、貨物鉄道経由で同コンテナ基地に入った貨物量は727TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個分)で、前週の同じ曜日の1348TEUから急減した。

 ただ、最近は景気低迷のあおりで物流量そのものが減っており、今のところは現場に大きな混乱はないという。同コンテナ基地の関係者は「2回目のストが行われ(貨物列車の)運行減少が長期化すれば影響は大きそうだ」と話している。

 物流の約20%を鉄道輸送に頼っているセメント業界も、ストの影響を注視している。

 中部・忠清北道の堤川と丹陽にあるアジアセメントと星信セメントは、鉄道を利用したセメントの出荷が平時の70~90%ほど減少した。関係者は、今は陸送出荷を増やし、全国のセメント貯蔵施設(サイロ)の在庫を放出する形で対応していると説明し、「ストが長引けば出荷量の減少は避けられない」と語った。

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