所得主導成長が悪化すると…文政権時代の青瓦台、ガイドライン示し統計計算方式を相次ぎ変更

 分配指標も操作の対象になった。文政権は経済専門家の反対にもかかわらず、18年の最低賃金を17年に比べて16.4%引き上げた。しかし、18年5月の所得5分位倍率を仮集計した結果、03年以降で最悪となる6.01倍に跳ね上がった。 所得5分位倍率とは、所得最上位20%(第5階級)の平均所得を所得最下位20%(第1階級)の平均所得で割った数値で、高いほど所得分配が不平等であることを示す。文政権は所得を水増しする際に使った就業者の加重値をなくす方式で再計算し、この比率を5.95倍に下げて発表した。意向に沿った統計値が出るように計算方式を変えたのだ。

 当時洪長杓(ホン・ジャンピョ)氏が率いた経済首席秘書官室は、最低賃金引き上げと所得主導成長に対する批判世論が広がると、「とにかく分析しなければならない」「統計資料を全て持って来い」と言い、統計庁に要求したと監査院は明らかにした。青瓦台は統計庁から受け取った資料を労働研究院所属研究員に渡し、「世帯」ではなく「個人」の勤労所得不平等は改善されたという統計を作らせた。「最低賃金引き上げは肯定的効果が90%」という文在寅大統領の発言はこの統計に基づいたものだ。

■非正規雇用が急増した原因も操作

 文政権の青瓦台は19年10月、「非正規雇用が1年前より86万7000人増えた」という統計庁報告を受け、「非常に異例であり得ない数値だ」とし、これを説明する統計庁の報道資料作成過程に深く介入した。当時統計庁は「非正規雇用の有無を調査する質問方式が変わり、実際には正規雇用である勤労者が非正規雇用だと誤って答えた」とし、誤回答の人数が23万2000~36万8000人だと青瓦台に報告した。しかし、青瓦台はこの数字を勝手に推定し、統計庁の分析をそれに合わせるよう圧力をかけたことが明らかになった。監査院によると、青瓦台は統計庁の報告を受けた後、「(数字は)これくらいか。30万から50万の幅だろう」などとして、数字を水増しする事実上の「ガイドライン」示していた。

 結局統計庁は非正規雇用急増の原因を説明する報道資料で質問方式が変わったことによる効果を35万~50万人と推定して発表した。また、統計庁の報道資料案には「前年比の際、解釈上誤解の恐れがある」という文言があったが、青瓦台の検討後は「前年度と単純比較不可」という表現に変わった。

キム・ソンモ記者、カン・ウリャン記者

【表】文政権時代、青瓦台からの圧力で国土交通部→不動産院へと連鎖した統計操作

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