文前大統領、統計操作論争に「雇用率は過去最高」と反発

 韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権時代、青瓦台(当時の韓国大統領府)主導で政府の公式統計が多方面で長期間操作されていたとする監査院の発表が波紋を広げている。韓国大統領室は17日「国家の基本政策である統計まで操作して国民をだました政権」だと批判。与党・国民の力は「操作主導成長の真実を文前大統領が直接明らかにすべきだ」とした。

 すると、文前大統領は同日、在任期間の雇用率が史上最高だったという内容の報告書をシェアした。統計操作論争は前・現政権の正面衝突に発展しそうだ。

 文前大統領は自身のフェイスブックに「9月14日に発行された韓国労働社会研究所の『文在寅政権雇用労働政策評価』をシェアする」と投稿し、報告書のリンクも添えた。

 文前大統領は「文在寅・民主党政権期間の雇用率と青年雇用率は史上最高で、非正規雇用の割合と賃金格差減少および社会保険加入の拡大、低賃金労働者比率と賃金不平等の大幅縮小、労働分配率の大幅な改善、長時間労働および実労働時間の大幅短縮、労災事故死者の大幅減少、労働組合加入者数と組織率の上昇、ストライキ発生件数と勤労損失日数安定、雇用セーフティネットの死角地帯解消などを確認できる」と指摘した。

 監査院は15日、文在寅政権期の住宅価格および所得・雇用関連統計に青瓦台などの介入で歪曲と操作があったとし、文在寅政権関係者22人を検察に告発しており、それに対する反論と受け止められた。

 文前大統領がシェアした報告書は、韓国労働社会研究所の金裕善(キム・ユソン)理事長が直接作成したものだ。報告書は「雇用率が17年に60.8%、19年に60.9%、22年に62.1%で過去最高を更新し、青年(15~29歳)の雇用率も42.1%、43.6%、46.6%で最高値を更新した」と指摘している。 

 報告書は「政権初期の18~19年の大幅な最低賃金引き上げは、低賃金労働者の割合と賃金不平等を縮小させ、労働所得分配率を引き上げることにプラスの影響を及ぼした」と評価。その上で「雇用セーフティネットの死角地帯解消のために全国民雇用保険制度、国民就職支援制度を推進した」とし、「コロナ危機では失業給付と雇用維持支援金が雇用の安全弁の役割を十分に果たした」と分析した。

 韓国労働社会研究所は1995年に設立された社団法人だ。主に労組の見解で労働・経済・社会問題に関する分析を示している。定款には研究所の活動目的が「労働運動に提起される問題を研究し、労働運動の発展と民主的労使関係確立に寄与する」と書かれている。

ウォン・ソンウ記者

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  • ▲2017年6月21日、当時の文在寅大統領が青瓦台で金賢美(キム・ヒョンミ)国土交通部長官に任命状を授与後、懇談会の会場向かっている/聯合ニュース

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