最大野党代表の逮捕同意案と首相の解任建議案 国会で21日採決=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表に対する逮捕同意案と韓悳洙(ハン・ドクス)首相の解任建議案が20日午前、国会本会議で報告された。

 これにより、李氏の逮捕同意案と韓氏の解任建議案はいずれも21日に予定されている国会本会議で採決されることになった。

 李氏については、ソウル近郊の京畿道城南市の市長だった時期の都市開発事業を巡る背任容疑や、京畿道知事時代に下着メーカー大手・サンバンウルグループを通じ巨額資金を北朝鮮側に不正に渡した疑惑に絡む容疑で検察が逮捕状を請求している。

 現職の国会議員である李氏は会期中に国会の同意なしに逮捕・拘束されない不逮捕特権を持つ。裁判所が逮捕状発付の是非を判断する令状審査を行うためには国会で逮捕同意案が可決されなければならない。 

 逮捕同意案は国会での報告から24時間以降72時間以内に本会議で無記名投票を行い、在籍議員(297人)の過半数が出席し、出席議員の過半数が賛成すれば可決される。

 否決されれば逮捕状は棄却され、可決されれば令状審査の日程が決まる。李氏の逮捕同意案は今年2月にも採決されたが、否決された。

 与党「国民の力」は、共に民主党が「不逮捕特権放棄」の約束を守るべきだとして可決を求めている。

 共に民主党は、李氏が行っている尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に対する抗議のハンガーストライキが長期化する中で党内に同情論が広がり、非李在明派を中心に否決を求める雰囲気が高まっている。

 李氏の逮捕同意案と同日に採決されることになった韓氏の解任建議案も、在籍議員の過半数の出席と出席議員の過半数の賛成が可決の条件だ。

 共に民主党は今月18日、ソウルの梨泰院で159人が死亡した雑踏事故やボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「世界スカウトジャンボリー」で混乱が続いた問題、東京電力福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出問題、水害による行方不明者を捜索中だった海兵隊兵士の殉職事件などの責任を問い、韓氏の解任建議案を国会に提出した。

 これに対し、国民の力は李氏のハンストを中止するための「出口戦略」に過ぎないとして、反対票を投じるか採決に参加しない方策を検討している。

 共に民主党は167議席と国会議席の過半数を握っており、韓氏の解任建議案は可決される可能性が高いが、結果に拘束力はなく、尹大統領は受け入れない考えとみられる。 

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