生徒の前で陸軍士官学校長を立たせて怒号浴びせる…陸士を辱めた陸士出身の韓国野党議員【コラム】

生徒の前で陸軍士官学校長を立たせて怒号浴びせる…陸士を辱めた陸士出身の韓国野党議員【コラム】

 9月1日、陸軍士官学校(陸士)出身で野党所属のある国会議員が陸士を訪れた。陸士の忠武館前にある洪範図(ホン・ボムド)将軍の胸像移転問題に関連する政務活動だったという。当初、陸士側は不許可としていた日程だった。「生徒の教育条件の保障などを考慮し、校庭内での議員らの活動は適切ではないと判断したため」だった。その代わりに陸士は「生徒の教育館である忠武館には行かず、接見室で校長と面談する条件」でこの議員の訪問を受けることになったという。

【写真】陸軍士官学校の校長を取り囲んでどなる韓国野党議員ら

 だが議員はゲリラ戦を繰り広げた。約束通りに陸士の入り口で提供された車に乗って接見室へ真っすぐ向かうことを拒否し、自分の車で入っていくことにこだわり、もめごとが起きた。この議員のユーチューブの動画を見ると、彼は陸士関係者らに向けて大声を上げて車を放置し、かたくなな態度で構内に入っていった。

 彼は胸像に向かった。その途中、校長が現れると、一方に立たせて、なぜ自分の車に乗れないのかとけちを付けた。戦闘服姿の校長はしきりに頭を下げた。この議員と一緒にやって来た他の野党議員3人も校長を真ん中に立たせて取り囲み「われわれが信用できないからそうするのか」と指を突き付けた。議員秘書らはその様子を動画に撮り、ユーチューブで公開した。

 議員らは忠武館の胸像前で再度、校長を気を付けの姿勢で立たせておいてとがめた。金曜日の昼間だったので、生徒らは忠武館で授業を受けていた。「先輩として最も残念なのは、なぜ陸士を政争の渦に追い込んだのかということです。生徒たちは何を学ぶでしょうか? 移転を白紙にしてください。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権白紙化。あまりにもよくやる政権ですよ」「一方的な意見を一方的に押し付けて、政治が問題です。その中心に大統領と国防部(省に相当)がある。この政権は軍とどのように向き合いましたか? 全く、あれほど不見識な占領(大統領室移転のこと)がどこにありますか?」

 政治的中立性が生命の軍、それもまだ任官もしていない生徒たちがみんな聞いている場所で、ほかならぬ現役の三つ星将軍である校長に恥をかかせ、軍の最高機関と軍の最高統帥権者を「占領」というような表現を使っておとしめたのだ。

 一行があまりの大声で校長をつるし上げているのを見ていられなかったある教授(現役の大領=大佐に相当)が「議員さん、授業中なので声を少し小さくしてください」と言うと、陸士出身の議員はかっとなって声を張り上げ「4000万国民が胸像移転に反対しているのに何を言うのか」「これが教育か」とし、「すぐに謝罪」することを強要したという。教授は謝罪するほかなかったという。当時、これらの議員の振る舞いに生徒たちは驚き、その光景を写真にも撮った。

 その通りだ。政治家は戦わねばならない。胸像移転に反対することができる。怒ることもできる。だが時と場所というものがあり、状況に合わせた礼儀というものがある。こういう仮定をしてみよう。特定の高校出身の国会議員が、その学校を訪れて、授業中に教師や校長を生徒らの前で叱りとばすという状況を。その国会議員は、陸士出身者として、陸士を辱めたということを今では理解しているだろうか。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 生徒の前で陸軍士官学校長を立たせて怒号浴びせる…陸士を辱めた陸士出身の韓国野党議員【コラム】
  • 生徒の前で陸軍士官学校長を立たせて怒号浴びせる…陸士を辱めた陸士出身の韓国野党議員【コラム】

right

あわせて読みたい