共に民主・李在明代表を「宿主」にして復活を狙う韓総連【コラム】

97年の連続民間人致死事件、イデオロギーと暴力の韓総連没落の契機
中心的な当事者らが再び韓国政界に…李代表は公認保障の特別補佐に任命

 被害者の遺族がいる事件当事者ならば、政治の領域に入ってきてはならない。自分たちの先輩である全大協(全国大学生代表者協議会)出身の政治家らが30代でバッジを付け、20年以上も君臨している様子を見ても、我慢すべきだった。しかし彼らは忘却の力を信じ、とうとう政治の舞台に上がってきた。チョン・イチャンは2021年に李在明・京畿道知事(当時)によって京畿道水原ワールドカップ管理財団事務総長に任命されたが、過去の履歴が発覚したことから辞退した。これに先立ち、姜位原は2018年の地方選挙に出馬しようとしたが、2003年のセクハラ事件が発覚し、出馬を諦めた。彼は「被害者の傷の回復のため努めたい」と言っていたが、1年後、京畿道農水産振興委員長になった。李在明という「宿主」を得たようだった。李在明代表は今年8月にチョン・イチャン、姜位原に特補の任命状まで与えた。特補の履歴は、来年の総選挙で「李在明の側近」であることを証明する印籠のようなものだ。彼らは公認すなわち当選となる光州・全南の選挙区で総選挙の準備に入った。

 このままだと、韓総連の主役らが次期韓国国会に入ってくることになる。イデオロギーと暴力が染み付いた時代を主導した面々を再び見るというのは、並みの苦痛ではない。姜位原は李代表のハンガーストライキが始まると「独立軍の心情で国民抗争に乗り出す」「無能暴力政権尹錫悦(ユン・ソンニョル)は退陣せよ」と主張した。韓総連議長時代に金泳三(キム・ヨンサム)政権退陣と民衆抗争を叫んでいた彼の姿そのままだ。チョン・イチャンの履歴が問題になると、彼の母校の「民主同門会」は「時代的悲劇を政略的攻撃に利用するな」という声明を出した。民間人致死事件を「公安の弾圧と民主化運動の対決が招いた時代的痛み」だとした。学生らの暴力はあったが国家の暴力がその原因だという趣旨の「柳時敏(ユ・シミン)控訴理由書」の詭弁(きべん)を、40年後にまた聞くことになるとは思わなかった。

 韓総連が李代表を宿主として復活を狙っている。韓総連という汚名に関して「歴史ロンダリング」も試みるだろう。それにもかかわらず李代表は、なぜ韓総連の中心人物を城南市長・京畿道知事時代から重用し、今もその後ろ盾になってやっているのか、きちんと説明したことがない。

鄭佑相(チョン・ウサン)政治部長

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  • ▲23年8月16日、国会の党代表室で李在明代表から任命状を渡される姜位原氏(左の写真)とチョン・イチャン氏。(写真=フェイスブックより)

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