よみがえった大韓帝国の外交拠点・徳寿宮「惇徳殿」 26日から一般公開

【ソウル聯合ニュース】約100年前、大韓帝国(1897~1910年)の外交活動の舞台だった「惇徳殿」が韓国・ソウルの旧王宮、徳寿宮に再建され、今月26日から一般公開される。文化財庁宮陵遺跡本部が伝えた。

 惇徳殿は西洋式の2階建ての建物で、徳寿宮の石造殿後方に立つ。朝鮮王朝第26代王の高宗(大韓帝国初代皇帝)即位40周年記念行事の会場として1902年から翌年にかけて建設され、その後は大韓帝国の外交活動の拠点、また迎賓館としても使われた。

 現存する資料などによると、惇徳殿の外観は欧風で、内部の接見室は皇帝を象徴する金色のカーテンや壁紙などで華やかに装飾されていた。だが1920年代に入るとほぼ使用されず、日本により取り壊されたようだ。

 こうした歴史を持つ惇徳殿が、発掘調査の開始から約6年にして完成し、一般公開の日を迎える。大韓帝国の外交を担った場という歴史的な意味を重視して再建された。館内は展示室と図書室を備え、文化・芸術行事を催せる空間として活用度を高めた点も特徴だ。

 1階には発掘時に見つかったさまざまな色と模様のタイルが飾られ、1902年の高宗の即位40周年を祝う様子を収めた映像が流れている。企画展示や国際行事を行えるスペースも設けられた。

 2階の常設展示「大韓帝国の外交」は五つに分かれている。1876年に日本と国際法的な条約を締結して以降、米国、デンマークなど複数の国と外交関係を結んだ過程と、主要な事件を解説する。激動の時代を生きた大韓帝国の外交官、朴定陽(パク・ジョンヤン)と李漢應(イ・ハンウン)の人生と活動にもスポットを当てた。

 各種図書と映像資料を集めたアーカイブ室も2階にある。

 歴史を語り継ぐ遺物も展示されている。韓国人の画家が初めて米国の風景を描いた作品として知られる姜ジン熙(カン・ジンヒ)作「火車分別図」、日章旗の上に太極の青色の部分と太極文様を取り巻く四卦を黒い墨でかき込んだ、独立の意志と愛国心を力強く表現したとされる宝物「ソウル津寛寺太極旗」を見られる。

 文化財庁は25日午後、一般公開を記念する式典を開く。韓悳洙(ハン・ドクス)首相や崔応天(チェ・ウンチョン)文化財庁長、各国の駐韓大使らが出席する予定だ。

 徳寿宮管理所は「韓国の近代外交史で最も重要な文化遺産を再建することで過去の歴史の空間を復元した。未来の文化交流の公共外交(パブリック・ディプロマシー)プラットフォームとして活用する」と説明した。 

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