韓国の企業債務が過去最高を記録…GDPの124%、1998年通貨危機を上回る

 韓国の企業債務が今年6月末現在で過去最高となる2705兆8000億ウォン(約298兆円)を記録した。金額だけではなく、対国内総生産(GDP)比は124.1%となり、1998年の通貨危機当時(108.6%)をはるかに上回り、同様に過去最高を更新した。

【グラフ】来年1200兆ウォンに迫る韓国の政府債務

 無理なローンを組んでの不動産購入が原因となった過度な家計債務が韓国経済の足かせとなる一方で、企業債務も雪だるま式に膨らみ、もう一つの「時限爆弾」として浮上した。多くの企業は資金を借り入れて投資するのではなく、金利が高い債務を償還しながら持ちこたえている。今年1~8月の企業破産件数は前年同期比で58.6%急増し、稼いだ利益で利子も返せない「自転車操業」状態になってから7年以上たつ企業が全体の3.6%に達した。

■企業の負債比率、通貨危機当時以上に

 韓国銀行と国際決済銀行(BIS)によると、6月末現在で韓国の民間債務の対GDP比は、企業債務が124.1%、家計債務が101.7%で、両者を合わせると225.7%を記録した。韓国よりもこの割合が高い国は、世界主要52カ国・地域で6カ国・地域(香港、ルクセンブルク、スイス、スウェーデン、中国、フランス)だけだ(国際比較は3月末現在)。

 他の主要国はほとんどがコロナを経て、企業債務の対GDP比は低下傾向だ。しかし、韓国は例外だ。コロナ直前の2019年にGDPとほぼ同じ規模(101.3%)だった企業債務は、コロナ期間に757兆ウォン急増。大半が借り入れ(600兆5000億ウォン増)や起債(118兆7000億ウォン増)だった。

 借金をして投資収益を高める適切な負債活用は企業の成長にプラスとなる。しかし、耐え難いほど多額の借金を背負えば、債務不履行と破産のリスクが高まる。韓国租税財政研究院のホン・ビョンジン副研究委員は「企業負債の水準が高くなるほど元利償還が難しくなる可能性が高まり、予期できない経済的ショックに弱くなる」とし、特に「限界実効法人税率が1%高くなると、企業の総債務は0.31%増える」と指摘した。

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