ロシアに破壊されたウクライナのダム、韓国が復旧を支援へ

3万5000人分の浄水施設も支援

 ロシアによるウクライナ侵攻により破壊されたウクライナのダム復旧事業に韓国が参加することになった。ダムの復旧をはじめ、ウクライナの上下水道や浄水処理施設などのインフラ整備も支援する計画だ。世界各国がウクライナ復興事業への参加に関心を示す中、韓国も現地への進出に勢いがついている。

【動画】決壊したウクライナ南部ダム

 韓国水資源公社は27日、ウクライナで水力ダムを運営するUHEとカホウカ・ダムなどの復旧を進めるタスクフォースを設置することで合意したことを明らかにした。カホウカ・ダムがあるヘルソン州とも人道支援として飲用水や将来の都市復興に向けた業務協約を同時に結んだという。

 カホウカ・ダムはクリミア半島とその周辺に生活用水と工業用水の供給、水力発電による電力供給、ザポリージャ原発への冷却水供給などを行ってきた。357メガワットの水力発電施設を持つ多目的ダムで、韓国の昭陽江ダム(200メガワット)よりもその規模は大きい。ところが今年6月6日に戦時下で爆破され崩壊した。これによりドニプロ川下流が氾濫し、新たな洪水を防ぐためウクライナ政府は上流のドニプロ・ダムからの放流をストップしたため、ザポリージャの貯水池は干上がっている。影響でヘルソン州も現在水不足と干ばつに苦しんでいる。

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は今月10日にインドのニューデリーで開催されたG20(20カ国・地域)首脳会議でウクライナ復興に向け総額23億ドル(約3400億円)の支援を表明し、これを受けカホウカ・ダム復旧に向けた協議が始まった。その後今月13-14日に韓国政府関係者がウクライナを訪問した際にもゼレンスキー大統領はダムの復旧を要請したという。さらに韓国水資源公社はダムの復旧に加え病院や学校など、清潔な水が必要な4-5カ所の施設を選定し、3万5000人分以上の水を供給する浄水処理施設も建設する計画だ。

 破壊されたウクライナの上下水道施設など関連インフラについても韓国が整備を進める予定だ。韓国水資源公社の関係者は「水の管理や都市分野の復興に参加するためウクライナ環境省、キーウ市、再建省、ブチャ市などと順次協議を行っている」「韓国政府と企業がウクライナのインフラ再建にさまざまな方面で参加する予定だ」と明らかにした。

パク・サンヒョン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲NEWSIS

right

あわせて読みたい