■サンバンウルの対北朝鮮送金関与
劉判事は「サンバンウルによる対北朝鮮不正送金」については、「重要人物である李華泳氏(元京畿道副知事)の陳述をはじめ、これまでの関連資料によると、李代表の認識や共謀の有無、関与程度などについて議論の余地がある
」とした。
これについて、検察は李華泳氏の「訪朝費用300万ドル肩代わり報告」に関する陳述、李代表が京畿道知事として決裁した対北朝鮮事業関連書類、キム・ソンテ元サンバンウル会長と李代表の通話などの関連証拠があると主張している。劉判事も李華泳氏の「訪朝費報告」に関する陳述の「任意性」は認めた。陳述を行う際、検察による懐柔・圧迫はなかったとの認識だ。
■証拠隠滅の恐れ
李代表の令状審査の主な争点は証拠隠滅だった。劉判事はいずれも李代表に有利な方向で判断した。「偽証教唆」と「柏ヒョン洞」について、劉判事は「これまでに確保された人的・物的資料に照らして証拠隠滅の恐れがあるとは言い難い」とした。法律専門家は「これ以上隠滅する証拠はないという意味だ」と指摘した。
劉判事は李華泳元京畿道平和副知事の陳述と関連し、「李代表の周辺人物による不適切な介入を疑うだけの状況はある」と話した。これは李華泳氏が「李代表に対北朝鮮送金を報告した」と陳述したという報道があった7月以降、李代表の側近議員などが李華泳氏の妻に電話したり、拘置所に李華泳氏を直接訪ねたりして、「虚偽陳述をしたという獄中書簡を書いてほしい」と伝えた状況に言及したものとみられる。検察は当時、拘置所での会話録音を令状審査で再生した。
しかし、劉判事は「李代表が直接介入したと断定できる資料は不足している」と指摘した。検察関係者は「ナイフを握らせて殺人を指示しなければ殺害指示と言えないのか」とし、「李華泳氏を懐柔して最も利益を得たのは李代表本人だ」と批判した。
ソン・ウォンヒョン記者、ヤン・ウンギョン記者