北朝鮮へのビラ散布 「自制要請」はせず=韓国統一部

【ソウル聯合ニュース】韓国の憲法裁判所が北朝鮮へのビラ散布を禁じる法律は違憲と判断したことを巡り、統一部は4日、「表現の自由の保障という憲法裁判所の決定の趣旨を考慮し、ビラ散布問題を検討する」との立場を明らかにした。

 同法は北朝鮮との融和を重視した文在寅(ムン・ジェイン)前政権下で改正された。ビラは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制を批判するもので、脱北者団体などが飛ばしている。北朝鮮はビラ散布に強く反発しており、2020年には報復措置として開城の南北共同連絡事務所を爆破した。

 統一部はビラ散布による北朝鮮の挑発の可能性や南北境界地域の安全に関しては、「必要なら(ビラ散布の)現場で適切な措置が行われる」として、「民間との意思疎通にも努力する」と表明。「政府は北の挑発に対する強力な抑止と対応態勢を維持しているため、(境界地域の)住民は不安に思う必要はない」と強調した。

 統一部は先月26日の憲法裁の判断を受け、「歓迎する」との立場を示したが、ビラ散布への対応などについては具体的に言及していなかった。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は北朝鮮へのビラ散布を法律で禁じるのは不適切との立場を示す一方、ビラ散布が境界地域の住民の安全を脅かす懸念があるとして自制を求めてきた。だが、今回統一部が示した立場では「自制の要請」がなくなっている。一律的にビラ散布の自制を要請するのではなく、状況や必要に応じてビラを散布する団体に協力を要請する方向に方針を変更したとみられる。

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