11カ月前に地雷で右足かかとの大部分を損傷したピョ・ジョンホ兵長、時速5キロで歩けるまでに回復

11カ月前に地雷で右足かかとの大部分を損傷したピョ・ジョンホ兵長、時速5キロで歩けるまでに回復

 「屈することなく耐えてくれてありがとう。来年1月に除隊(転役)するときは、どうか、好きなサッカーがまたできるくらいに回復していてほしい。走れ、ピョ兵長!」

 10月3日午後、京畿道城南市の国軍首都統合病院で。韓悳洙(ハン・ドクス)首相、国防部(省に相当)のシン・ボムチョル次官、同病院のソク・ウン院長と医療陣数十人が見守る中、ピョ・ジョンホ兵長(22)が時速5キロの速足で病院の中庭を一周するのに成功すると、拍手と歓呼が沸き起こった。ピョ兵長は「少し前から、軽いジャンプも練習している」と、その場で駆け足する様子も披露した。出席者らはピョ兵長と抱擁し、励ましの言葉をかけた。

【写真】韓悳洙首相(写真左)と歩くピョ・ジョンホ兵長

 この日、病院の中庭で速歩に成功したピョ兵長は、昨年10月に前方部隊で作業をしていた際、M14対人地雷が爆発して重傷を負った。負傷した当時、右足のかかとの大部分を損傷し、足首の切断を考慮するほど深刻な状態だった。しかし医療陣の決断で、17時間におよぶ手術の末、足首の保全に成功した。手術は、内ももの筋肉を取ってふくらはぎとかかとを復元するという方式で進められた。

 ピョ兵長の主治医を務めるチョン・ソンヨプ中領(中佐に相当)は「ピョ兵長の足指の神経は生きており、何より、本人の『歩きたい』という意思が強く、一度やってみようと決心した」と語った。大学で警察行政学を専攻したピョ兵長は、将来の進路として警察を希望しているが、通常は1日4時間行われるリハビリ訓練を2倍にして続けてきたほどに「2本の足で立って社会に出ていきたい」という意思が強かったという。昨年4月に開所した国軍外傷センターが外傷外科・整形外科・リハビリ医学科など各分野の医師や療法士、コーディネーターなどから成る専担チームを立ち上げ、ピョ兵長の治療とリハビリを支援してきた。ピョ兵長の病院内でのあらゆる動線にヨガマットを敷くほど、細心の注意を払った-と伝えられている。

 ピョ兵長が最初に両足で歩き始めたのは、手術から6カ月が経過した今年4月のことだった。当時、医療陣が撮影した19秒の動画を韓悳洙(ハン・ドクス)首相がフェイスブックでシェアし「喜ばしく、胸を打たれた」「若い将兵が希望を失わず、こうして雄々しく立ち上がってくれて本当に感謝している」とコメントした。韓首相は今年1月、旧正月の名節を前に負傷将兵をねぎらうため首都病院を訪れたが、その際にピョ兵長と初めて対面した。「あどけない顔で病床に座していた姿が思い出され、戻ってくる間ずっと残念だった記憶がある」と語った。

 韓首相は今年の秋夕(中秋節。今年は9月29日)にも首都病院を再び訪れた。10月1日付で兵長に昇進したピョ兵長に向けて「治療とリハビリに、屈することなく耐えてくれてありがとう。満足だ」と言葉をかけた。韓首相は、主治医のチョン・ソンヨプ中領と、足首の保全手術を執刀したムン・ギホ中領にも「切断という選択の代わりに、なんとか足を生かそうという覚悟で難しい手術を成功させてくれてありがとう」と礼を述べた。さらに「軍服務中にけがをした将兵らが除隊(転役)した後も、治療とリハビリが終わる日まで軍が責任を持つべき」と語った。

金隠仲(キム・ウンジュン)記者

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