共に民主・李在明代表、司法に感謝するのはまだ早い【コラム】

 今年2月、日本軍慰安婦被害者への後援金1億ウォン(約1096万円)を横領したなどとして起訴されていた無所属の尹美香(ユン・ミヒャン)議員に一審の裁判所が比較的軽い罰金1500万ウォンを言い渡した。横領額は1700万ウォンだけが認定された。

【写真】病院に搬送される李在明代表

 すると、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は「尹美香議員を悪魔にした検察。懲役5年を求刑して罰金」「人生をまるごと否定され悪魔にされた彼女はどれほど悔しかっただろうか。検察とフェイクニュースに同様にやられている私さえ疑っていた。申し訳ない」とコメントした。

 民主党議員も「検察の捜査がどれほど無理な捜査だったかが明らかになり幸いだ。民主党はこれから尹議員を守らなければならない」(禹元植=ウ・ウォンシク=議員)」「マスコミが魔女狩り式に尹議員を稀代の破廉恥犯にした(鄭春淑=チョン・チュンスク=議員)」と擁護した。

 

 それから7カ月後の今年9月、二審は尹議員に議員失職に相当する懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡した。横領額は8000万ウォンに増えた。国庫補助金6500万ウォンの不正受給も追加された。一審判決後に尹議員がまるで無罪判決を受けたかのように主張していた李代表と民主党は、二審判決に沈黙した。

 裁判の過程で量刑が変わることはよくある。まして裁判前の令状審査は最終的な有罪・無罪の判断とは関係ない。入試不正疑惑のチョ・グク氏は逮捕状請求が棄却されたが、1審で懲役2年の実刑が出た。 コメント操作の金慶洙(キム・ギョンス)元慶尚南道知事も令状が棄却されたが有罪が確定し懲役刑を言い渡された 一方、「検察・メディア癒着」が指摘されたチャンネルA記者は「強要未遂罪」で拘束されたが無罪になった。それでも李代表は一審でもない令状棄却だけで「人権の最後の砦(とりで)という事実を明確に証明して下さった司法府に深い感謝の言葉を申し上げる」と述べた。

 当初李代表の裁判戦略はひたすら総選挙の勝利だった。司法リスク初期から李代表側は裁判を「世論裁判」「政治裁判」と規定した。証拠と法理より世論が重要だと言った。総選挙で勝利すれば有罪が出る裁判も無罪になるという信念だった。

 そのため、李代表は令状棄却でまるですべての司法リスクが終結したかのように話す。令状担当判事1人が一晩で有罪判決を下すことは不可能なのに、民主党は既に無罪判決を受けたかのような立場だ。

 しかし、検察は令状請求で最高で無期懲役となる量刑を強調し、李代表も令状判事に「捜査対象の事件で刑が全て宣告されれば、約50年にはなるだろう」と訴えた。今回の令状棄却に最も驚いたのは李代表自身だという話も聞かれる。

 司法リスクはこれからが始まりだ。今後李代表は週に2、3回ずつ何年にわたって裁判を受けなければならないのか見通せないのが実情だ。司法府に対する謝意表明は無罪が確定した後でも遅くない。

朴国熙(パク・ククヒ)記者

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  • ▲共に民主党の李在明代表は9月27日午前、逮捕状請求が棄却されたことを受け、京畿道義王市のソウル拘置所を出た/NEWSIS

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