中国、今年3月から韓国ドラマの審議許可を全面中断していた【独自】

 中国が、今年3月から韓国ドラマに対する審議許可を全面中断していたことが6日までに分かった。韓国の政界からは「韓米日の連携が強化されたことを受け、中国は韓国に圧力を加えるため韓国の文化コンテンツを封鎖した」との見方が有力視されている。

 国会外交統一委員会に所属する与党・国民の力の安哲秀(アン・チョルス)議員が韓国文化体育観光部(省に相当、以下同じ)から同日提出を受けた資料によると、昨年1月から今年2月まで中国国家新聞出版広電総局の審議と許可を受け、OTT(オンライン動画サービス)のプラットフォームで放映された韓国ドラマは『キム秘書はいったい、なぜ?』『賢い医師生活』『海街チャチャチャ』など合計18本だ。ところがその後は韓国ドラマに対する審議許可は行われていないという。

 文化体育観光部は「2023年上半期から韓国ドラマの審議許可が全面的に中断している」とした上で「2023年6月に上海テレビフェスティバル韓国共同館の運営を通じて韓国のメジャーテレビ局は版権契約交渉を進めたが、これも進んでいない」と明らかにした。

 韓国のゲームに対する版号(ライセンス、批准番号)の発行も今年4月から暫定的に中止となっている。いわゆる「限韓令(韓流禁止令)」前の2016年には韓国のゲーム35本が中国市場に進出したが、17年に6本、18年と19年は0本、20年は1本、21年は2本、22年は7本だった。今年は3月までの時点で「ブルーアーカイブ」「クッキーランキングダム」「オーディション:みんなのパーティ」など3本の韓国のゲームが版号を発行されたが、その後は中国のゲーム版号発行対象から韓国のゲームが除外されている。

 文化体育観光部は「韓国のゲームの版号発行制限について中国は認めてもいないし否定もしていない」「そのため版号制限について韓国政府が調査を行った場合、中国を無用に刺激する恐れがあり、また調査により版号発行制限強化を懸念するゲーム業界の意見も受け入れ、中国国内における韓国ゲーム関連企業の被害の現状に対する調査は行っていない」と説明した。

 中国国内で上映される韓国映画も2021年の『オ!ムニ』以来はないと文化体育観光部は把握している。限韓令前は中国で上映される韓国映画は年間3-5本あった。文化体育観光部は「中国は限韓令を表向きは認めていないので、公式の制限はない」としながらも「中国国内で韓国映画の上映許可や韓中合作映画の承認はほぼ行われていない。これは限韓令によるものと推定している」とコメントした。

 安哲秀議員は「2017年のTHAAD(在韓米軍の高高度ミサイル防衛システム)配備以来、中国政府による韓国文化『封鎖』の被害は相変わらず深刻だ」「中国人の団体観光許可以外にも、中国政府による韓国映画やドラマ、ゲームなど文化コンテンツに対する非公式の制裁は今も続いているのが実情」と指摘した。安議員はさらに「関連業界への支援と保護に向け外交面での努力が必要だ」との考えも示した。

 韓国外交部は安議員の事務所に提出した資料の中で「今年8月の韓中経済共同委員会でも韓国側は両国国民の間に友好的な感情を定着させるためゲーム、映画、テレビ番組などの文化コンテンツ交流再開の必要性を訴えた。これに対して中国側も両国の人的・文化的交流増進に向け友好的環境の醸成を希望すると回答した」と明らかにした。外交部はさらに「韓中の交流と協力が早期に正常化するよう外交部としても関係部処(省庁)と緊密に協力し、今後も中国との意思疎通を図っていく予定だ」と説明した。

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