ハマスのイスラエル奇襲攻撃、韓国も他人事ではない…1時間に1万発を撃つ北朝鮮長射程砲への対応急務

ハマスのイスラエル奇襲攻撃、韓国も他人事ではない…1時間に1万発を撃つ北朝鮮長射程砲への対応急務

 イスラム武装勢力ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃は、北朝鮮による軍事挑発の可能性や長射程砲の脅威など、韓半島の安全保障にも直接・間接に影響しそうだ。

 ウクライナに続きイスラエルも戦闘状態となったことを受け、専門家は「米国で韓半島問題、あるいは北朝鮮問題がさらに後回しにされる可能性が高い」と懸念している。米国と中国の覇権争いが激しくなる中、昨年2月にロシアがウクライナを侵攻したことで米国はウクライナ支援に全力を傾けてきた。さらに今回イスラエルでも戦闘が起こったため、今後韓半島で局地的な軍事挑発などが発生した場合に米国からの支援が少なくなる可能性が考えられ、北朝鮮もこれに目をつける可能性があるというのだ。

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 北朝鮮はここ最近、韓国に対して軍事挑発を行う可能性を何度も示唆してきた。今年4月に北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が韓国の地図を掲げ、平沢の在韓米軍基地とみられる首都圏周辺を指さす様子を撮影した写真を公開した。その際に金正恩氏は「戦争抑止力をさらに実用的・攻勢的に拡大し、効果的に運用しなければならない」と述べたという。また昨年12月には「衛星試験品の性能をテストした」と主張し、画質は低いがソウル都心の衛星写真を公開した。韓国、米国、日本が前例がないほど連携を深めているため、中国とロシアが韓国に対する北朝鮮の挑発行為を黙認するとの見方も浮上している。韓国国防部(省に相当)の申源湜(シン・ウォンシク)長官は7日に就任した際「過去に北朝鮮は、韓国で新政権が発足してから2-3年後に挑発を行ってきた」と警戒感を示した。

 これまでハマスなどパレスチナ武装勢力のロケット攻撃に対してイスラエルの対空防衛システム「アイアンドーム」は90%以上の迎撃率を記録してきたが、今回はそれほどの効果を発揮できなかった。この点は韓国軍当局も鋭意注視している。今年5月にハマスがガザ地区から合計270発以上のロケット砲をイスラエルに打ち込んだ際、アイアンドームはそのほとんどの迎撃に成功し、イスラエル領土に落下したのはわずか3発だった。ところが今回ハマスは2500-5000発以上のロケット砲を文字通り雨のように打ち込んだため、アイアンドームも完全迎撃には失敗したのだ。

 ある韓国軍筋は「韓国の首都圏を射程圏内としている北朝鮮の長射程砲は最大1万発以上を発射できるようだ。そのため韓国製の迎撃手段(LAMD)開発など対策を急がねばならないだろう」と述べた。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

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