アジア大会金メダリストの韓国兵役特恵を見直すべきだ【10月10日付社説】

アジア大会金メダリストの韓国兵役特恵を見直すべきだ【10月10日付社説】

 野球・サッカーの38人やeスポーツの6人をはじめ、杭州アジア大会で金メダルを取った韓国代表選手たちが多数、兵役を免除されることになったのを受けて、この制度を巡り再び議論が巻き起こっている。50年前、スポーツにおける韓国の競争力が弱かった時代に作られた制度を今も続ける必要があるのか、ということだ。

 アジア大会の一部種目は競技内容において世界のレベルと大きな差がある。サッカーを見ても、決勝戦の相手だった日本はアマチュアの社会人選手を中心にチームが構成されていた。ゴルフも他国の選手たちはほとんどアマチュアだったが、韓国は米プロツアーでプレーしているトップクラスの選手たちが出場し、たやすく金メダルを取った。野球も参加国が8カ国に過ぎず、韓国だけがプロ選手を多数出場させて金メダルを取った。肩の痛みを理由に1試合も出場せず、兵役を免除された投手もいた。大韓野球協会が「各チーム3人以内」という原則で韓国代表選手を選抜したのも、兵役特恵のチャンスを均等にしようという意味だと受け止められている。レベルの低いアジア大会で「兵役のバーゲンセール」をしているのと同じだ。

 一部の選手たちは、レベルがはるかに高い世界選手権大会での優勝より、アジア大会での金メダルの方に必死になっている。日本の報道機関は「サッカーの韓国代表選手たちが一生懸命プレーするのは兵役免除のため」と皮肉る日本国内の反応を報じた。競泳の韓国人金メダリストたちの記者会見でも、外国人記者たちは兵役免除の恩恵を取り上げて伝えた。

 アジア大会でのメダル獲得を、国のランクを引き上げる業績だと見なすこと自体が時代遅れの発想だ。韓国は世界がうらやむ「韓流」の宗主国であり、10大経済大国だ。兵役特恵をモチベーションにしなければならないというレベルはとうに超えている。国威発揚という観点で見れば、男性アイドルグループBTS(防弾少年団)ほど功労があるわけでもないだろうに、「BTSメンバーにはなぜ兵役免除の恩恵を与えないのか」という公平性の問題もある。

 簡単に取れる金メダルで兵役免除を乱発すれば、「兵役は要領よく回避するべき、厄介な義務だ」という認識が広がる。憲法上の義務であり、名誉であるべき兵役が、このように取るに足らないものと見なされるとは話にならない。兵役特恵制度導入から50年たったのだから、変化した時代の状況に合わせて手を打つべきだ。

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