戦争のさなかにSNSで広まるフェイクニュースに懸念の声

【イスラエル・パレスチナ戦争】
混乱を拡大させるソーシャルメディア

 パレスチナの武装グループ「ハマス」が7日(現地時間)、イスラエルを突然攻撃し、戦争状態になってから3日たった。こうした中、リアルタイムで情報が行き交うソーシャルメディアがフェイクニュースの温床になっている。「X(旧ツイッター)」「フェイスブック」「インスタグラム」「ティックトック」「ユーチューブ」など、世界の主なインターネット・プラットフォームで戦争の現況を巧妙に歪曲(わいきょく)したり、無関係の動画をつなぎ合わせたりしたフェイクニュースが急速に拡散されているのだ。

【動画】迫撃砲でイスラエルのヘリコプターを撃墜…ビデオゲームの演出シーンだった

 専門家たちは「プラットフォーム上にさまざまな動画・イメージ・テキストが洪水のようにあふれている。数秒だけ見て次へ移っていく情報の真実とうそをユーザーたちが見分けるのは困難だ」と指摘する。特に、「生成人工知能(AI)技術の発達でフェイクニュースが拡散し、世論を左右して戦争の局面を揺るがしかねない」という懸念の声もある。

■フェイクニュースの「本陣」になったソーシャルメディア

 奇襲攻撃があった翌日の8日、Xのあるアカウントにはハマス武装メンバーが迫撃砲でイスラエル側のヘリコプターを撃墜させる動画が掲載された。動画には「ハマスにもっと力を」という文も添えられていた。この動画は現在まで53万回再生されており、数多くのアカウントに転載され、急速に拡散した。しかし、この動画はビデオゲーム「ARMA(アルマ)3」で演出された撃墜シーンだった。一方、フェイスブックには「速報:イスラエル空軍がガザのテロ・ターゲットを攻撃している」という説明と共に、建物を爆撃する動画が急速に拡散した。だが、これは通信会社APが今年5月にユーチューブ上に掲載した、イスラエルがガザ地区を攻撃する動画で、今回の戦争状態とは関係がない。

 偽情報の提供も多い。Xやティックトックなどでは、米国がイスラエルに80億ドル(約1兆2000億円)規模の支援を承認したというホワイトハウスの文書が拡散された。だが、これは今年7月にバイデン政権がウクライナに対して4億ドル(約590億円)を支援した時の文書を加工したものだった。あたかもイスラエルのジャーナリストであるかのように、名前を「エルサレム・ポスト」としているアカウントはXに「イスラエルのネタニヤフ首相が病院に搬送された」というフェイクニュースを掲載した。

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