ハマスの攻撃、マニュアル通りに避難したイスラエル在住韓国人留学生「スーパーでは買い占めもなかった」

イスラエルとパレスチナの戦争
イスラエル在住の韓国人が伝える現地の状況

 10日午前8時(現地時間)、パレスチナのガザ地区に近いイスラエルの都市アシュケロンでは2時間にわたりイスラム武装勢力ハマスによるミサイル攻撃が7回行われた。現地に留学するイ・ジュンイルさん(23)はイスラエル政府が出したミサイル警報アプリ「Tzofar - Red Alert」から警告が出るたびに地下シェルターに避難したという。イさんは「過去に例のないハマスの攻撃が怖かったのは事実」としながらも「決められたマニュアル通り落ち着いて行動し、状況を見守っている」と伝えた。ハマスによる攻撃が始まってから街を歩く人は一気に減ったが、ミサイル警報解除後は飲食店、病院、薬局など全て通常通り営業しており、イさんによると、食料品を販売するスーパーなどでも買い占めは起こらなかったという。

【写真】空襲訓練を6年間行わなかったツケ…避難所の管理状態もめちゃくちゃ /ソウル

 同日記者はイスラエルのテルアビブ、エルサレム、ヘルズリヤなどに住む12人の韓国人に電話やスマートフォンなどで話を聞いた。彼らは一様に「大きな混乱はなく、一日も早く事態が収束するのを待っている」と伝えた。死傷者は数千人に上るが、イスラエル現地で落ち着いた雰囲気が続いているのは「ミサイル攻撃対応マニュアル」の内容が体に染み付いているからだという。エルサレムに住むある韓国人(41)によると、以前も数え切れないほど多くのミサイル攻撃があったため、現地の住民はミサイル攻撃にどう対処すべきかよく理解しているという。空襲警報が鳴れば「90秒以内にシェルターに逃げ込めば安全」などの内容をチャットなどで共有し、互いの安否を確認し合っているそうだ。

 イスラエル国防省傘下の民間防衛省(Home Front Defense)はイスラエル国民向けにミサイル攻撃が起こったときの行動指針を配布している。この指針はミサイル警報が鳴った場合、一般家庭では家庭ごとに設置されたシェルターに避難すること、また屋外にいる場合も近くの建物にあるシェルターに移動することを呼びかけている。現地の法律によると、イスラエルの全ての住宅は設計の際にシェルター設置が義務づけられている。指針には「安全な場所に必ず10分以上とどまり、イスラエル軍の防空システム『アイアンドーム』に依存してはならない」と警告している。

 今回のミサイル攻撃でもマニュアルを熟知しているイスラエル市民は習慣的に近くのシェルターなどに逃げ込んだという。今月5日に家族と共に仕事でイスラエルを訪れたキム・イェスルさん(33)は「8日午前に警報が鳴った時、地域の人たちが全員屋内のシェルターに避難し、ブラインドを閉じてじっとする様子を目撃した」「住民はさほど動揺もせず、日常生活を続けた。外から来た私たちが驚くほどだった」と伝えた。

 現地に住むある留学生は「昨日はスーパーで買い物していた時に警報が鳴り、近くのシェルターに逃げ込んだ。習慣的に安全な場所は頭に入っている」「夜中に警報が鳴ったときは眠いので大変だが、ほとんどいつもと変わらず日常生活を送っている」と説明した。全てのマンションやアパートにシェルターがあるため、ミサイルについてはそれほど心配していないという。

 ただし今回のハマスによる攻撃は単なるミサイル攻撃にとどまらず、イスラエルとパレスチナの全面戦争につながる懸念もある。死傷者のほとんどが、イスラエル領内に侵入したハマスが民間人を拉致あるいは殺害した際に犠牲になったものだからだ。現地在住の別の韓国人(32)は「今回の戦争はこれまでのハマスによる攻撃とは違って地上戦が起こっている。民間人も殺されているので怖いのは事実だ」と述べた。

ソ・ボボム記者

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