ハマスのトンネル建設に北朝鮮の技術

イスラエルとパレスチナの戦争

 北朝鮮は以前からイスラム組織ハマスに軍事支援を行ってきた。イスラエルが高さ6-8メートルの分離壁をガザ地区の周囲に建設した際には、これを抜けるトンネルの建設に北朝鮮の技術が利用されたという。ハマスはエジプトのシナイ半島やイスラエル南部の砂漠地帯を抜けるトンネルを数多く掘っており、イスラエル軍の追跡をかわす「モグラたたきゲーム」を続けてきた。ハマスのトンネルは成人男性が少し頭を下げれば通れる高さで、その中には数カ月にわたりとどまることが可能な物資も備蓄されている。また武器や日用品などの運搬経路にもなっているという。

【動画】「100年耐えられる」 中国自慢の海底トンネル、開通2週間で水浸しに

 ある情報筋は今月9日「北朝鮮は非武装地帯(DMZ)に数多くのトンネルを掘りこれを利用しているが、ハマスは北朝鮮からその技術支援を受けている」と明らかにした。北朝鮮はトンネルを建設する独自の技術を持ち、過去にミャンマー軍などに装備や技術を輸出し、人材も派遣したことがある。故ファン・ジャンヨプ労働党秘書も「飛行機が地下から地上に出てこられるような優れたトンネル技術を北朝鮮は持っている」と伝えている。イスラエル軍は2014年にハマスが掘った30以上のトンネルネットワークの存在を確認したが、その形態や構造などが非武装地帯で発見された北朝鮮のトンネルとよく似ていたことは当時大きな話題となった。レバノンの武装勢力ヒズボラの地下施設にも同じような事例があったが、イスラエルは2021年の報告書で「ヒズボラは2014年に北朝鮮と1300万ドル(現在のレートで約19億円)の契約を結び、資材や掘削技術の支援を受けた」と明らかにした。米国議会調査局(CRS)は「北朝鮮は技術者を外交官に見せかけて現地に派遣し、トンネルを活用する方法をアドバイスしてきた」と報告している。

 北朝鮮がハマスに武器を提供した証拠も多数見つかっている。かつて米国防情報局(DIA)で30年近くにわたり北朝鮮の武器取引を追跡してきたアンジェロ州立大学のブルース・ベクトル教授は8日(現地時間)、米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」の取材に「2014年に北朝鮮はハマスから数十万ドル(数千万円)を受け取り、107ミリと122ミリの多連装ロケット発射機や通信機器などを提供する契約を結んだ」と明らかにした。2009年にも北朝鮮製の地対空ミサイルやロケット式の手りゅう弾など35トンに上る武器が積まれた貨物機がタイで摘発された。当時タイ政府は国連安全保障理事会に「北朝鮮製武器の目的地はイラン」と報告したが、ベクトル教授によると、イスラエル当局はその後これらの武器がイラン経由でハマスとヒズボラに向かっていたことを明らかにしたという。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者、金隠仲(キム・ウンジュン)記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲写真=UTOIMAGE

right

あわせて読みたい