「いかなる方法であれパレスチナの抵抗は正当だ」 ハマスの民間人虐殺を擁護する韓国極左団体

 韓国の極左団体がイスラエルを奇襲侵攻し民間人を虐殺したパレスチナのイスラム組織ハマスを擁護する声明を出し、ハマスを支持する集会も予告した。

 労働者連帯は10日にホームページを通じ「イスラエルに対するパレスチナの抵抗は正当だ」と主張し「今月11日にソウル光化門でパレスチナ人との連帯を示す緊急の集会を開催する」と明らかにした。

【写真】労働者連帯のインスタグラムに掲載された宣伝ポスター

 労働者連帯は韓国で極左に分類される団体だ。ホームページに掲載された団体の基本的な立場には「マルクス主義の伝統を引き継ぐ」と明記されており「北朝鮮と中国の労働者が国家資本主義や市場に対抗して戦う闘争を支持する」としている。労働者連帯は、かつて韓国の憲法裁判所により違憲政党とされ、解散が命じられた統合進歩党にも加わっている。最近は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領退陣を求める集会にも参加し、統合進歩党の後身である進歩党を支持する活動を続けている。

 労働者連帯傘下の青年学生グループは今月9日に声明を出し「イスラエルはパレスチナ人を大々的に虐殺し追放する人種掃除を行い1948年に建国された」「このイスラエルに抵抗することは『いかなるやり方』でもパレスチナ人の正当な権利だ」と主張した。

 青年学生グループはさらに「イスラエルは米国などの支援を受けパレスチナ人を含む中東の一般民衆を踏みにじった」とした上で「イスラエルこそ残酷な西側帝国主義の番犬だ。韓国の青年学生もパレスチナ人に連帯と支持を送ろう」と呼びかけた。

 労働者連帯の主張に対しては進歩(革新)陣営からも批判の声が出ている。進歩系学者の代表格の一人とされるノルウェー・オスロ大学の朴露子(パク・ノジャ)教授(韓国学)はフェイスブックで「イスラエルによるこれまでの政策は当然批判を受けるべきだが、今回のような何も考えない主張の乱発はパレスチナ人の一般民衆にとって何の役にも立たない」「極右団体であるハマスを無条件擁護することは果たして平和の実現にプラスになるのか」と指摘した。

 一方でイスラエル政府広報室によると、ハマスによる攻撃で800人以上が犠牲になり、2600人以上が負傷したという。また推定で約150人の人質がガザ地区に拘束されたとみられる。ハマスがイスラエルに奇襲攻撃を行った際には民間人に対しても無差別殺害あるいは拉致を行ったが、その様子を撮影した映像はSNS(交流サイト)などを通じて公開され世界に衝撃を与えた。

キム・ミョンイル記者、キム・ミョンジン記者

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