都市部の研究室で放射性核物質が気化、韓国原子力財団が隠蔽か【独自】

都市部の研究室で放射性核物質が気化、韓国原子力財団が隠蔽か【独自】

 文在寅(ムン・ジェイン)政権時、京畿道城南市内の板橋新都市中心部にある韓国原子力財団(以下、財団)の研究室から放射性核物質が蒸発し、なくなっていたことが明らかになった。1日の平均流動人口が10万人に達する新都市の中心部で核物質が気化し、空中に消えたのだ。与党・国民の力所属の朴成重(パク・ソンジュン)議員が11日に明らかにした。

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 同議員によると、財団は2016年から放射性核物質のウラン(U-232)5.0283グラムとトリウム(Th)5.1123グラムを酸に溶かした液体状態で管理していたという。問題は18年、有名ベッド会社の製品から放射性物質であるラドンが多量検出された、いわゆる「ラドン・ベッド事件」後に起きた。政府はこの事件以降、核物質管理業務体系を変え、財団には空港・港湾放射線監視機教育業務を任せ、韓国原子力安全技術院(以下、技術院)に核物質の安全管理を担当させた。これに伴い、財団が持っていた核物質や装備・人材などは技術院に移転させた。

 ところが、当時の技術院は装備と人材は引き取ったが、核物質の引き取りは拒否した。技術院は「既に使用済みの物質で、使い道がない」と拒否の理由を明らかにした。しかし、財団は既に装備と人材を引き渡しており、これを管理する能力がなかった。結局、書類上では技術院に移管されたと虚偽の記録を残し、核物質は財団研究室の隅に放置した。

 核物質が蒸発していたことは、韓国原子力統制技術院(以下、統制院)の定期検査で明らかになった。統制院が2019年に財団の建物の点検を実施した時は核物質が残っていたが、3年後の22年の点検では「核物質容器が空(から)になっている」ことが分かった。ずさんな管理で蒸発したのだ。

 朴成重議員は「たとえ微量だとしても、核物質保有現況を虚偽作成し、隠蔽(いんぺい)しようとしたのは犯罪同然だ」「都市の中心部で放射線の被ばくがなかったのか、徹底的に調査しなければならない」と指摘している。

ヤン・ジヘ記者

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