明らかにすべき「文在寅政権のうそ」、最後を飾る2018年南北首脳会談【コラム】

所得主導成長など幻想に基づいた政策が失敗すると「うその統計」で糊塗(こと)
「北がただで首脳会談を行ったことはない」…北朝鮮原発・金正恩答礼訪韓などの疑惑を明らかにすべき

明らかにすべき「文在寅政権のうそ」、最後を飾る2018年南北首脳会談【コラム】

 毛沢東の大躍進運動では、4000万人が餓死した。「鉄鋼業を興して一気に英米に追い付く」という幻想に基盤を置いた政策が禍根だった。粗悪な高炉に用いる木を伐採したことで土地が荒廃した。数千万人が飢えているにもかかわらず、共産党幹部は「食料に問題はない」という統計を作って宣伝した。中国を災厄に陥れたのは「幻想に基づいた政策」に「統計操作」が重なったからだ。

【写真】白頭山の頂上に上った南北首脳(2018年)

 前から見た平壌の高層マンションは素晴らしい。だが裏から見ると、塗装もなく、ガラス窓もない。ある外国人が労働党幹部に尋ねたら「先生はネクタイを後ろにも着けますか」という答えが返ってきたという。建物の前面だけを飾ることに何も問題はない、という詭弁(きべん)だ。自由民主諸国において、権力のうそとフェイク扇動は犯罪も同然だ。しかし共産全体主義では、目的を実現するための最も効果的な手段に過ぎない。

 韓国国内の左派学生運動出身勢力も、「大きな正義」のためならば「小さなうそ」くらいは大したことではない、という様子を見せてきた。文在寅(ムン・ジェイン)政権の不動産価格、所得・分配・雇用に関する統計操作が代表的だ。馬車が馬を引っ張るような「所得主導成長」政策は、幻想に基づくものだ。所得・分配・雇用がどれも悪化すると、これを隠すために偽の統計を作った。大躍進運動で餓死者が出ているのに「食料に問題はない」という統計を作ったのと何が違うのか。「自信がある」と言っていた不動産価格が跳ね上がると、公務員をねじ伏せて「比較的安定」という虚構を創造した。全ての国民が不動産暴騰の苦痛を体感したにもかかわらず、いまだに「操作はなかった」と言っている。

 このほど監査院は、2020年に西海で行方不明になった公務員を、当時の政権が根拠もなく「自主越北者」と決め付けたという内容の監査報告書を採択した。文政権が任命した監査委員の大多数も「越北決め付け」の結論に同意したという。ところが文政権の関係者らは、西海公務員事件の情報を削除したことについて「削除ではなく情報流通網の整備」だと言い張った。自ら北に渡ったのではないという証拠を無くしておいて、「流通網整備」という詭弁を言えるのか。2017年の「THAAD(高高度防衛ミサイル)3不」の約束で中国に軍事主権を渡した事件の黒幕も監査院が探しており、間もなく結果が出るだろう。

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