4重の盗難防止装置・2人1組で当直勤務…「黄金のコウモリ像」移転に5億ウォン /全南・咸平郡

咸平の「黄金のコウモリ像」、16年ぶりに引っ越し

 純金162キロが使用され、129億ウォン(約14億3000万円)の価値と評価されている全羅南道咸平郡の「黄金のコウモリ像」が16年ぶりに移転する。咸平郡は10月9日、黄金のコウモリ像の新しい設置場所を咸平エキスポ公園内とする予定だと明らかにした。セキュリティーが強化されるほか、観覧しやすい展示館も設置するという。

【写真】高さ2.18メートルの「黄金のコウモリ」像

 現在、黄金のコウモリ像は咸平邑の華陽近隣公園内にある黄金コウモリ生態展示館に保管されている。咸平エキスポ公園からは500メートルほど離れている。通常は非公開とされているが、毎年春の「咸平チョウ大祝祭」、秋の「大韓民国菊香大祭典」の際に、約半月間だけ一般公開されてきた。

 咸平郡は、今回エキスポ公園チョウ昆虫生態館の隣に2階建ての文化遺物展示館を設置し、1階の入り口に87平方メートル規模の「黄金のコウモリ展示館」を別途設置することにした。工事は今年12月に始まり来年4月末ごろの完工予定だ。幅1.5メートル、高さ2.18メートルの黄金のコウモリ像の当時の制作費は約27億ウォン(約3億円)だったが、金の価値の上昇で今では129億ウォン(6日の相場基準、約14億円)に上っている。

 価値が跳ね上がったことで、黄金のコウモリ像を盗もうとする人も出てきた。2019年3月、3人組の窃盗犯が切断機とハンマーを持って黄金のコウモリ像を盗もうとしたものの、未遂に終わった。同強盗犯は、ロックが外された入り口の鉄製シャッターが3分の1ほど上がったところで盗難警報機が作動。犯行道具をその場に置いて逃走するも、後日逮捕された。

 咸平郡は、黄金のコウモリ像の移転に5億ウォン(約5500万円)を使用するが、そのほとんどがセキュリティーに関する費用だという。セキュリティー・シャッターや防弾ガラスなど4重の盗難防止装置を設置し、年間2200万ウォン(約240万円)の盗難保険に加入する見通しだ。24時間セキュリティー会社の監視の下で公務員たちが順番に2人1組になって当直勤務に当たる。展示館内部に動作感知センサーを設置し、展示館の内・外部に数台のCCTV(ケーブルテレビ)も設置される予定だ。咸平郡のキム・グァンドク施設管理チーム長は「多くの観光客が見られるようにするために移転事業を進めることになったが、高価な作品なのでセキュリティーには十分神経を使っている」と話した。

 黄金のコウモリは1999年2月、咸平郡大東面高山峰地域一帯の洞窟で群れをなして生息しているのを発見された。環境部(日本の省庁に相当)指定絶滅危惧哺乳動物1号、天然記念物(第452号)に指定されている。

 咸平郡は発見された黄金のコウモリが計162匹であったことから、純金162キロを使用して黄金のコウモリ像を制作。2008年4月に展示を開始した。純金だけで制作すると造形物がゆがむため、耐久性を考慮して純金162キロに銀(9.25キロ)と銅(13.88キロ)を混ぜた。血税浪費の代名詞だった黄金のコウモリ像は、金の価格高騰により価値が上昇し、今では「咸平宝物1号」と呼ばれている。

チョ・ホンボク記者

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  • ▲写真=咸平エキスポ公園/NEWSIS
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