韓国軍制服組トップ「南北軍事合意により対北監視に制約」

【ソウル聯合ニュース】韓国が2018年に北朝鮮と結んだ軍事合意について、韓国軍制服組トップの金承謙(キム・スンギョム)合同参謀本部議長は12日、「軍事合意により(非武装地帯付近に)飛行禁止区域が設定されたため、(北朝鮮に対する)監視範囲が時間的、空間的に制約を受けている状況」と述べた。国会国防委員会による国政監査で、与党議員からの「軍事合意締結で偵察機の監視範囲が縮小されたか」との質問にこのように答えた。

 金氏はイスラム組織ハマスのイスラエルへの攻撃に触れ、「ハマスの侵攻の様相は、北がこの先戦争を起こすならばこれとの類似が見込まれるという点で示唆するところが多い」と指摘。イスラエルは情報・監視・偵察が足りなかったとし、ハマスが多様な手段と方法で初期の奇襲攻撃に成功したとの認識を示した。

 国政監査の冒頭、金氏は「わが軍はハマスとはまた別の武力を持つ敵と対峙(たいじ)している」としながら「敵のいかなる挑発と侵略にも即時に強力に、最後までこらしめることができる確固たる決戦の態勢を維持している」と述べた。

 北朝鮮の核・ミサイルの脅威が高まり地域の安全保障環境が不安定になる中でも、「力による平和」の実現に総力を傾けていると強調。韓米同盟の拡大抑止の強化、北朝鮮核・ミサイルへの対応体制である「韓国型3軸体系」の拡充に言及した。米軍主導の韓米連合軍が持つ有事作戦統制権を条件に基づき韓国軍へ移管する計画も着実に進めていると説明した。

 合同参謀本部はこの日の業務報告で、韓国型3軸体系の運用体制を強化すると述べた。3軸体系は北朝鮮のミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃するキルチェーン、発射されたミサイルを迎撃する韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)、北朝鮮から攻撃された場合に指導部などに報復攻撃を行う大量反撃報復(KMPR)からなる。

 合同参謀本部は、北朝鮮のミサイル発射前後に北朝鮮の核・ミサイル体系をかく乱、破壊できるよう作戦概念を発展させ、核・ミサイルによる威嚇に対応するための合同訓練も強化すると報告した。また、核・ミサイル脅威への戦略的抑止力・対応力を統合運用し関連戦力の発展を主導する「戦略司令部」の創設も推し進めていると述べた。戦略司令部は、今年1月に合同参謀本部に創設された「核・WMD(大量破壊兵器)対応本部」を母体に、来年の創設を予定している。

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