韓国の中小企業向け融資、年内に1000兆ウォン突破

韓国の中小企業向け融資、年内に1000兆ウォン突破

 コロナ当時に抑え込まれていた連鎖倒産の恐怖が現実となる中、零細事業者と中小企業に対する貸出残高と延滞率の上昇が止まらない。韓国銀行が4日、国会企画財政委員会の梁敬淑(ヤン・ギョンスク)議員に提出した資料によれば、6月末現在で自営業者に対する金融機関の貸出残高は1043兆2000億ウォン(約116兆円)で過去最高を記録した。昨年同期に比べ約50兆ウォン増えた。この数値は個人事業者に対する事業融資と家計向け融資を加えたものだ。

【表】韓国の市中銀行の中小企業に対する貸付残高

 自営業者向けの貸付残高は昨年9月末、1014兆2000億ウォンを記録し、初めて1000兆ウォンの大台を突破した。1カ月以上元利返済が延滞した額も7兆3000億ウォンで過去最高だった。今年6月末の自営業者の延滞率は1.15%で、2014年第3四半期以降8年9カ月ぶりの高さだった。

 中小企業に範囲を広げても貸出残高が大幅に増加している。韓銀によると、今年9月の中小企業に対する市中銀行の貸出残高は994兆2000億ウォンで、年内の1000兆ウォン突破が確実視される。コロナ前の19年12月と比べ約277兆ウォン増えた。このうち自営業者に分類される個人事業者向け融資は449兆7000億ウォンだ。中小企業向けの年平均貸出金利は20~21年には3%を下回っていたが、今年は5%以上に上昇している。

 政府の支援で持ちこたえてきたが、結局返済に行き詰まる零細事業者も増えた。信用保証財団による保証で銀行融資を受けた零細企業、零細事業者が返済できなくなり、信用保証基金が返済を肩代わりすることを「代位弁済」と呼ぶ。今年8月までの代位弁済は1兆708億ウォン、保証額全体の3.6%に達する。昨年は通年で5076億ウォンだったが、今年は8カ月で前年の2倍に達した。代位返済率も昨年の1.1%の3倍以上に跳ね上がった。

 こうした状況で高金利が当面続く可能性が高いことから懸念はさらに高まっている。韓国銀行の李昌ヨン(イ・チャンヨン)総裁は最近、「高い金利水準が長期間持続する可能性が高い」と発言した。

イ・ギウ記者

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