韓国政府、北京開催「一帯一路フォーラム」に海洋水産相を派遣【独自】

韓中協力システムの復元などを模索

 中国が進める一帯一路(陸路と海上のシルクロード)10周年を迎え17-18日に北京で開催される「第3回一帯一路国際協力首脳フォーラム」に韓国政府は海洋水産部(省に相当、以下同じ)の趙承煥(チョ・スンファン)長官を派遣する。中国の習近平・国家主席による世界の経済・軍事領土拡張目的の一帯一路フォーラムへの長官派遣は、韓中協力システム復元など両国関係を管理したい尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の意向が反映されたようだ。

【写真】共に民主・李在明代表とあいさつを交わすケイ海明駐韓中国大使

 ある韓国政府関係者は16日「一帯一路首脳フォーラムに関係部処(省庁)の長官が出席し、関係する議論の流れなどを把握する必要があると判断した」とコメントした。中国外交部によると、今年の一帯一路首脳フォーラムには140カ国と30の国際機関から4000人以上が出席するという。開会式当日から、相互アクセス、環境に優しい発展、デジタル経済の、政府高官らによる三つのフォーラムが同時に開催され、円滑な貿易、民間交流、シンクタンク間の協力、清浄シルクロード、地方での協力、海洋協力の6テーマのフォーラムも別途開催される。趙長官は18日に予定されている海洋協力フォーラムに出席し、祝辞を述べると同時に中国側の関係者と顔合わせする。安全保障関係の情報筋は「両国は西海を挟んで向かい合っているため、海洋でのルールや政策、漁業など海洋関連の懸案、海洋経済、科学技術、安全などについて意思疎通を強化し、協力できる分野がないか模索する機会になるだろう」と述べた。

 米国がインド・太平洋戦略で中国けん制に乗り出す中、今年の一帯一路首脳フォーラムはその参加国や中国の友好国が中心となって構成されたとみられる。それでも韓国政府が趙長官をフォーラムに派遣する理由は、韓中関係の管理を念頭に置いた側面が考えられる。上記の安全保障関係の情報筋は「趙長官の一帯一路首脳フォーラム出席は、韓中両国が相互尊重と共通の利益という観点から協力強化を模索するきっかけになるだろう」と述べた。尹大統領は今年8月に米国で行われた韓米日3カ国首脳会議後、中国との関係改善にも乗り出しているようだ。韓米日協力強化の枠は整えたと判断し、その上で韓中関係の管理に外交力を動員し始めたということだ。

 韓中日3カ国首脳会議は2019年12月に中国成都で開催されて以来実現していないが、韓国政府は早ければ今年中にソウルで開催する方向で調整を進めている。これも一帯一路首脳フォーラム参加決定に影響したようだ。中国も来月予定されている韓中日3カ国外相会議の際に3カ国首脳会議開催の日程について協議したい考えだという。このような状況で韓国政府が韓中協力の枠組み復元に向け、水面下でさまざまなチャンネルの調整に乗り出したということだ。尹大統領は先月7日にインドネシアのジャカルタで開催されたASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議の際、習主席の代理で出席した中国の李強・首相と会談した。また先月23日には中国杭州のアジア大会開会式に派遣された韓悳洙(ハン・ドクス)首相が習主席と会談した。趙長官は今回の訪中で2030世界博覧会(エキスポ)の釜山誘致に向け中国側の協力も打診したい考えだ。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者

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