チョ・グク元法相、二審で文前大統領の意見書をソウル高裁に提出…監察もみ消し事件

 柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市経済副市長に対する監察もみ消しの罪で起訴されているチョ・グク元法務部長官の二審で、チョ氏側は16日、ソウル高裁に文在寅(ムン・ジェイン)前大統領個人の名義による事実照会返信書(意見書)を証拠として提出した。意見書は起訴事実が無罪だとする内容だ。検察は「事実関係と異なっており、チョ元長官との親交に基づき、個人的意見を表明したものだ」とし、同意しない立場を表明した。

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 文前大統領はこの文書で「特別監査班が秘書官、首席秘書官などから独立して監察業務を遂行することは特別監査班の設立趣旨に反する」とし、「監察の始まりと終了、処分に対する判断と決定権限は全て民政首席秘書官にあると見なすべきだ」とした。

 柳在洙元副市長に対する監察終了は、民政首席秘書官だったチョ元長官が自身の権限を行使したものであり、監察班員の意思に反し、権利行使を妨害したとは言えないとの趣旨で、チョ元長官の無罪主張と同じ内容だ。

 しかし、一審は今年2月、チョ元長官が政界の働き掛けに応じるため、柳在洙元副市長に対する監察を不当に中断させたと判断した。特に特別監査班が監察を継続する意向を表明したにもかかわらず、監察が中断された点に注目し、特別監査班に対する「職権乱用」があったと認定した。

 検察は「文前大統領が直接作成して捺印したのか、それとも(趙元長官側が)作成して送った意見書を読んで捺印したのか」と質問した。弁護人が「(文前大統領が)直接作成して送付したものだ」と答えると、検察は「法律的意見を被告人と個人の親交によって明らかにしたもので、形式面でも内容面でも直接作成したとは見なし難い」とし、「証拠採用に同意しない」と主張した。

 検察は「裁判長は事実照会申請を許可しなかったが、質疑返信書という抜け道的な形で再び前大統領の陳述書の証拠採用を求めたことに対し、裁判長がどう見るだろうか」と述べた。

 公判ではチョ元長官が検察で自分に不利な内容の供述を行った元青瓦台特別監査班員L氏と舌戦を繰り広げる場面もあった。

 チョ元長官側は、当時大検察庁の監察を受けていたL氏が支援を受けようとして、検察捜査班の懐柔を受け入れて態度を変え、「監察もみ消し」疑惑について積極的に供述したのではないかと尋ねた。

 それに対し、L氏は「大検察庁監察部長が交代後、嫌疑なしとして報告されていた監察が再び推進され、4回も嫌疑なしとの報告が上げられたが、3年半にわたって監察が行われた」とし、「その監察部長は(チョ・グク)首席秘書官が任命した韓東洙(ハン・ドンス)部長だ」と話した。

 これに対し、チョ元長官は発言機会を得て、「韓部長の任命は2019年10月14日のことで、短い法務部長官任期の最終日だった」とし、「韓氏が監察部長の任期を終えるまで一度も会ったことはなく、証人に対する監察のことはきょう初めて聞いた」と述べた。

 ソウル高裁は11月20日の公判で柳在洙元副市長を尋問する予定だ。

梁銀京(ヤン・ウンギョン)記者

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