ハマス、人質のフェイスブックで殺害の脅威を生配信…テロの道具になったSNS

【イスラエル・ハマス武力衝突】

ハマス、人質のフェイスブックで殺害の脅威を生配信…テロの道具になったSNS

 イスラエルとパレスチナの武力衝突で、恐怖心をあおるイスラム組織ハマスによるテロ手段として、交流サイト(SNS)が利用されていることが分かった。

【写真】ハマスに人質に取られた21歳フランス系イスラエル人女性が負傷した腕の治療を受ける様子

 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は17日(現地時間)、「ハマスは、拉致したイスラエル人の人質のSNSアカウントを乗っ取り、これを利用して配信などをすることを新たな戦術としている」と報道した。ハマスは拉致した人質の「フェイスブック」「インスタグラム」「ワッツアップ」といったSNSのIDとパスワードを調べ、人質本人のアカウントで彼らに対して殺害をほのめかして脅す様子をライブ配信した。人質の家族や友人に対し、人質を脅す様子をリアルタイムで見せ、恐怖心をあおっているのだ。また、人質のSNSアカウントを通じて家族や友人に嘲弄(ちょうろう)・脅迫メッセージを送ったり、電話をかけたりもしている。

 匿名を希望するフェイスブックの関係者は同紙に「ハマスが人質のフェイスブック・アカウントでライブ配信をし、アカウントに投稿文を掲載したことを確認した」と話す。事実、ハマスが7日にイスラエルを初めて攻撃した直後、ガザ地区の境界に近いキブツ(生活共同体)で暮らしていたガリ・シュレジンガー・イダンさんの知人たちは「フェイスブックを確認して」というメッセージを受け取った。この時、イダンさんのフェイスブック・アカウントでは、人質に取られたイダンさんとその家族がハマスに脅されている様子が45分間ライブ配信された。配信後、イダンさんの長女が銃で撃たれて死亡しているのが発見された。

 イスラエル軍は現在、ハマスが人質を少なくとも199人捕らえているものと推定している。人質1人がSNSアカウントのフォロワーを数十人から数百人抱えているとすると、SNSを通じた脅しは迅速かつ広範囲に広がる可能性がある。ジョンズ・ホプキンス大学のトマス・リッド教授(戦略学)は同紙に「原理主義団体は長年、SNSで宣伝戦をしてきたが、人質個人のSNSアカウントを乗っ取るのはこれまで見たことがないやり方で、SNSを武器化するものだ」「我々はこのような攻撃に対して、心理的に準備できていない」と語った。

 フェイスブックの運営企業「メタ」はこの事案に対する見解表明を拒否した上で、「ヘブライ語とアラビア語を流ちょうに駆使する専門家たちがいる特別作戦センターを設立し、イスラエルの拉致事件を細かくモニタリングしている」と明らかにした。

ピョン・ヒウォン記者

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