中国軍戦闘機が米軍機の3メートル先まで接近…米国防総省が動画を公開

東シナ海と南シナ海上空でわずか3メートルにまで接近

 米国防総省は17日(現地時間)、東シナ海と南シナ海上空の国際空域で国際法にのっとって飛行していた米軍用機に対し、中国人民解放軍の戦闘機が危険な飛行を繰り返した15件の事例について、今回機密解除された当時の写真と映像を公開した。

【動画】米軍機に接近する中国軍戦闘機(3月24日撮影)

 これらの事件が発生した地域は国際社会から中国領空とは認められていないため、国際法にのっとり米軍用機が自由に飛行できる。昨年1月11日から先月23日までに撮影された写真と映像には中国軍戦闘機が米軍用機からわずか3メートルの距離にまで接近するなど危険な飛行を繰り返す様子が映っていた。

 今年6月12日に東シナ海上空で撮影された動画を見ると、中国人民解放軍戦闘機が米軍用機の側面を約275メートルの距離でぴったりくっ付いて飛行し、8発のフレア(おとり用の照明弾)を発射していた。

 ここまで接近して飛行すると衝突の恐れが出てくるため非常に危険だ。ところが昨年米軍偵察機と中国軍戦闘機の間で一連の危険な状況が発生した際、米軍パイロットが中国の操縦士と交信を試みると、中国の操縦士は英語で「×××× off」と応答したという。

 さらにその前の3月24日に撮影された映像には、中国軍戦闘機が東シナ海の国際空域を飛行していた米軍用機の側面と下3-4.5メートルにまで接近する様子が映っていた。米国防総省は「中国軍戦闘機が米軍機に向かって先に速度を出した。軍用機のノーズ(先端)下を通過する際には米軍機の視界から中国軍戦闘機が消えた」「米軍パイロットが2機の間隔を広げた後も中国の戦闘機は横にわずか4.5メートル、下にわずか3メートルの距離にまで再接近してきた」と説明した。

 先月21日に南シナ海上空で撮影された映像にも中国人民解放軍戦闘機が米軍用機の横わずか15メートルほどにまで接近する様子が映っている。米国防総省は「中国人民解放軍による強圧的で危険な行動は、国際社会の一員に対して国際法上の権利を放棄するよう脅迫し、強制するためだ」と指摘した。中国は「東シナ海と南シナ海のほとんどは中国の領土、領海であり、その上空は中国領空」という自分たちの主張を貫徹するため、意図して危険な行動を取っているというのだ。

 米国防総省は一連の映像を公開する際「オースティン国防長官を含む複数の当局者がこれらの行動に対する懸念を中国側に伝えた」とした上で「米国は国際法の許容範囲で安全かつ責任ある飛行、航行、作戦を続けるが、最高位を含むさまざまなレベルで中国人民解放軍と米軍とのルートを持ち続けることも重要と信じている」とコメントした。

ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員

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