韓国中銀が政策金利3.5%で据え置き 6会合連続=先行き不安で様子見

【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は19日、定例の金融通貨委員会を開き、政策金利を年3.50%に据え置くと発表した。据え置きは6会合連続。

 家計債務が急速に膨らみ、ウォン安ドル高も進むなど、利上げの要因は間違いなくあるものの、近ごろの消費意欲の減退と中国など主要国の経済成長の減速が韓国の景気回復に影を落としていることから、韓国銀行はひとまず金利を据え置いて状況を見守ることにしたようだ。

 米連邦準備理事会(FRB)が先月20日(現地時間)に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催した後、追加利上げ観測がやや後退した点も、韓国銀行の金融政策決定に余裕を与えた。米国が追加利上げを見送れば、韓国と米国の金利差は最大2.00%(米国5.25~5.50%、韓国3.50%)でしばらく維持されることになる。

 韓国銀行は2021年8月、0.50%だった政策金利の引き上げを開始し、今年1月までの10回の会合で計3%利上げした。2月以降の6回の会合は連続で、3.50%で据え置いた。

 この日の据え置き決定は、景気の先行き不安が最も大きく影響した。

 4~6月期の経済成長率(前期比0.6%)は1~3月期(0.3%)を上回ったものの、部門別では民間消費(マイナス0.1%)をはじめ輸出・輸入、投資、政府消費(政府支出)など全部門がそろって減少した。8月の産業活動動向統計でも、消費動向を示す小売販売額指数が2カ月連続の前月比マイナスとなった。耐久財と半耐久財の消費が振るわなかった。

 だが景気下振れの可能性だけを意識して利下げに踏み切れば、家計債務と為替、物価にマイナスの影響を与えかねない。

 銀行、金融界全体とも家計向け貸し出しが6カ月連続で増加している。

 米国との金利差は最大2.00%と、かつてない大幅な開きとなっている上、対ドルのウォン相場は今月初めに1ドル=1363.5ウォンと、11カ月ぶりのウォン安水準を記録。海外投資家の韓国への株式・債券投資は8月と9月の合計で31億ドル(約4640億円)以上の流出超過となった。韓国の金利がこのまま米国を大きく下回れば、海外投資家の資金流出とウォン安が加速しかねない。

 9月の消費者物価上昇率は前年同月比3.7%で、韓国銀行の予測から大きく外れてはいない。だが、中東情勢の緊迫化を受けた原油価格の上昇がインフレ再燃の火種としてくすぶる可能性がある。

 専門家からは、こうした利上げも利下げも難しい状況が来年前半まで続くとの見方も出ている。

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