日本のビールを飲んだら親日派? 韓国の若者世代は笑っています【寄稿】

『ワンピース』や糖葫蘆(タンフールー)を楽しんだからといって親日派、親中派になるわけではない
10代から30代までの若い世代は政治と文化を分離
愛国を装った組分けはやめるべき

 日本だけがそうなのではない。中国由来の麻辣湯や糖葫蘆は、韓国の10代、20代の強い反中感情にもかかわらず、彼らの間で高い人気を集めている。20代に最も人気のあるゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』の運営会社も中国企業のテンセントだ。このように、韓国の青年らが日本漫画を好み、中国ゲームを楽しんでいるとしても、日本の右翼の妄言や中国の東北工程に対して憤怒していることに異論の余地はない。実際、友人C氏の日本に対する姿勢も両価的だ。彼は日本のコンテンツを好んでいるが、福島汚染水放流問題については「韓国政府がもっと強く声を上げるべきだった」と批判している。李明博(イ・ミョンバク)元大統領の独島訪問も高く評価している。

 不買運動が個人の愛国心を表現する手段の一つであることには同意する。しかし、あらゆる文化や商品の消費を愛国心と結び付けてはならないと思う。政治的な目的による強要はなお一層警戒すべきだろう。経済にせよ文化にせよ、交流する隣国の全てを排斥することはできない。「二度と負けない」と称し、これを務めて無視することで親日派をえぐり出そうと言いながら、自分たちは北海道旅行の計画を立ててレクサスに乗るという矛盾が生じる。

 愛国を装った政治的な組分けは、他の何よりも反日の押し付けに嫌気を感じさせる。案の定、韓国の一部の国会議員は、杭州アジア大会(2022/杭州。2023年開催)のサッカー決勝の後「来年の総選挙も韓日戦」だとエンジンをかけ始めた。よほどその話をしたかったのか、台湾との野球の決勝を韓日戦と勘違いした議員もいた。ドイツの政治学者カール・シュミットは、敵と友人を区分するのが政治だと述べた。断言するが、日本のビールをちょっと飲んだから、日本製のシャンプーをちょっと使ったからといって親日派と決め付けてしまう政治であれば、後に残る友人はいないだろう。

イ・ドンス青年政治CREW代表

【表】韓国の輸入先別のビール輸入量とシェア

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  • ▲ソウル市内の大手スーパーにある日本ビールの売り場。2023.10.2/写真=聯合ニュース

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