韓国のインターネット企業カカオのペ・ジェヒョン投資総括代表(CIO)が芸能事務所SMエンターテインメントの買収に絡み、株価を操作として19日までに逮捕された。カカオによるSM買収に影響が及ぶかどうかに注目が集まる。カカオの株価は19日、前日比3.1%安の4万500ウォンで取引を終えた。
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ペ代表は今年2月、SM買収戦で競合芸能事務所HYBE(ハイブ)による株式公開買い付け(TOB)を妨害する目的で約2400億ウォン(約265億円)の資金を投入し、SMの株価をHYBEによるTOB価格を上回る水準にまで引き上げた疑いが持たれている。当時HYBEによるTOBは失敗に終わった。
その後、今年3月にカカオがSMの経営権を取得することで合意し、買収戦は決着した。しかし、これに先立ち、HYBEが「(TOBの際に)異常な取引があった」と告発し、金融監督院特別司法警察が捜査を続けてきた。
市場関係者の間では「株価操作疑惑で有罪となれば、カカオによるSM買収も覆されかねない」とささやかれている。しかし、金融当局と法曹界は「買収自体を無効にすることは難しい」との見方だ。私的自治の原則に支配される市場で既に成約した株式取引を「なかったこと」にすることは難しいためだ。
ただ、損害賠償請求の可能性はある。カカオ側の妨害でTOBに失敗したHYBEのほか、人為的に変動した株価で損失を出した一般投資家がカカオに損害賠償を求めることは可能だからだ。金融投資専門の弁護士は「有罪が確定すれば、損害賠償訴訟でも(原告が)勝訴する可能性が高い」と話した。
クォン・スンワン記者