多数党の代表が犯罪容疑者になると検事を弾劾して手足を縛る国【10月20日付社説】

 韓国野党・共に民主党は李在明(イ・ジェミョン)代表が関与したとされる「サンバンウル対北朝鮮送金」事件の捜査を新たに引き受けた水原地検の李禎燮(イ・ジョンソプ)第2次長検事を偽装転入などの疑惑で大検察庁に告発した。内容は李検事が◇娘の進学のために偽装転入した◇同僚検事のために妻の兄弟が経営するゴルフ場の予約をあっせんした◇他人の犯罪経歴照会を助けた--などという内容だ。李検事は偽装転入の事実だけを認めた。事実かどうかに関係なく、この程度であれば国会の人事聴聞会でなければ問題にはならない。そんな問題を特に李検事に限って指摘するのは、李検事が李在明代表を捜査している人物だという事実と関連があるのだろう。検事を脅して萎縮させようとするものだ。

 民主党は李検事に対する弾劾を検討することもあり得るとの立場だ。民主党が国会を掌握しているため、弾劾訴追案を可決し、憲法裁判所で結論が出るまで李検事の職務を停止させることができる。後任検事を任命しても、同様に足を縛ることができる。文在寅(ムン・ジェイン)政権は偽装転入事実が明らかになった大法院判事と憲法裁判官候補者も全員任命した。彼らは今も現職だ。彼らに対しては何も言わず、李検事に対しては弾劾にまで言及する理由が何なのかは想像に難くない。民主党は李在明代表逮捕同意案採決の日、検察への圧力の一環として、突然9年前の事件で検事弾劾案を可決したこともある。

 これまで民主党は対北朝鮮送金事件を捜査する検事に圧力をかけ続けてきた。この事件で起訴された李華泳(イ・ファヨン)元京畿道副知事が「対北朝鮮送金を李代表に報告した」と陳述した後、民主党は「脅迫・でっち上げによる捜査」だとして検察庁舎で座り込みを行い、捜査検事の実名を組織図にして公表した。李在明代表の側近議員が李華泳氏の妻や側近と接触した直後、李華泳氏は李在明代表関連の陳述を覆した。今度は李禎燮検事が新たに捜査を統括することになると、告発して弾劾するという。犯罪容疑者が捜査検事をこのように直接攻撃した例はほとんど見当たらない。最近の民主党を見れば、李代表を守るためにはさらに何でもやりそうだ。

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