中国政府、スパイ容疑でアステラス製薬社員を逮捕…改正反スパイ法施行後初の外国人逮捕者

 男性の容疑について日本メディアの報道には「産業スパイ行為をしたかは断定できないが、中国から医療関係の機密を奪うようなレベルの企業ではない」などの論調が目立つ。日本のビジネス誌プレジデントは「アステラス製薬の主力商品の一つが臓器移植者に投与される免疫抑制剤」とした上で「男性は中国国内で行われる不当な臓器移植の現状などについて調べていた際に法律に違反したのでは」との見方もあると報じた。また「男性は中国の公務員による腐敗容疑に関係した」との推測も語られている。「他の国であれば通常スパイ行為とはみなされなかったはずだ」というのだ。

 産経新聞は「今回の事件により中国で活動する日本企業の間で懸念が高まるのは避けられない」と報じた。19日に北京で開催された日中知識人の会議「東京・北京フォーラム」でも今回の事件が話題に上ったという。この席である日本人参加者は「逮捕された理由さえわからなければ、日本企業は不安を抱くしかない」と指摘したという。日本経済新聞は中国日本商会が今月公表した事業環境調査の結果を引用し「中国駐在の日本企業の中で『今年の投資は昨年よりも減らす』『投資しない』との回答がほぼ半分近くになった」と報じた。

 中国で改正反スパイ法の影響を受けるのは日本企業だけではない。今年3月に中国当局から突然北京事務所が捜索され、中国人を含む5人の社員が逮捕された米国の信用調査会社ミンツ・グループは北京事務所を閉鎖した。英国の調査会社リスク・アドバイザリー・グループも先日香港支社を閉鎖した。米ウォールストリート・ジャーナルなどは「改正反スパイ法の影響で、外資系企業による中国国内での活動は縮小をつづけている」と報じた。

キム・ドンヒョン記者

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