サウジアラビアのパートナー、日本から「経済と安保の全てを満たす」韓国にシフト(下)

サウジアラビアが尹大統領を特別に歓迎

サウジアラビアのパートナー、日本から「経済と安保の全てを満たす」韓国にシフト(下)

 イスラム教シーア派盟主のイランから支援を受ける武装勢力ハマスやヒズボラなどが相次いでイスラエルを攻撃しているが、これにイスラム教スンニ派の盟主であるサウジアラビアは危機感を強めている。米国のバイデン政権は先日、サウジアラビアの防衛に責任を持つ条件でサウジアラビアとイスラエルとの関係正常化を仲裁したが、その際ムハンマド皇太子は中東の和平実現における重要人物として注目を集めた。UAEは昨年韓国の地対空ミサイル「天弓Ⅱ」を35億ドル(約5300億円)で購入する契約を結び、また今年8月にはUAEの戦闘部隊が韓国で初めて合同訓練に参加するなど、両国は軍事面で活発な協力関係を結んでいるが、これをムハンマド皇太子も関心を持って見守っているという。安全保障分野のある関係筋は「韓国は70年以上にわたり数十万人の軍隊を維持し、武器も発展させてきた。サウジアラビアは紛争が続く中東地域の盟主としての立場を維持するため、防衛分野における韓国の競争力に注目している」と説明した。

【表】ムハンマド・ビン・サルマン皇太子による尹大統領歓待

 ムハンマド皇太子は今年38歳で君主としては非常に若い。またサウジアラビアは人口の半分以上が30歳以下の若者だ。ただその一方で米国でのシェール革命によりサウジアラビアを中心とする国際原油価格への影響力が弱まり、若者の失業率も高まっている。ムハンマド皇太子が国家プロジェクト「ビジョン2030」を発表したのはそのためだ。このプロジェクトは石油輸出に依存する経済構造を製造業の技術を基盤とする新産業構造に転換することがその核心的な内容だ。上記の韓国大統領室関係者は「石油が一滴も出ない韓国が新産業技術を立ち上げた点はムハンマド皇太子にとっても良い協力モデルだろう」との見方を示した。尹大統領が23日にキングサウード大学での講演で「皆さんの先祖であるアラビア人が東洋と西洋の文物交流で先導的な役割を果たし、人類文明の発展と豊かな繁栄に大きく貢献した事実を忘れないでほしい」と述べたが、これも両国の協力関係強化に向け友好的な雰囲気を造成するためだ。

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