仏様、日本に帰らなければなりません…韓国大法院「対馬の盗難仏像、日本の寺に所有権」

仏様、日本に帰らなければなりません…韓国大法院「対馬の盗難仏像、日本の寺に所有権」

 日本の長崎県対馬市の観音寺から韓国人窃盗団によって盗まれた仏像を保管する韓国政府に対し、韓国中部・忠清南道瑞山市にある浮石寺(大韓仏教曹渓宗)が所有権を主張し、引き渡しを求めた訴訟の上告審で、韓国大法院は26日、「仏像所有権は日本の寺にある」と認定し、上告を棄却。原告の敗訴が確定した。

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 今回の訴訟は、観音寺にあった高麗時代の仏像を2012年に韓国の文化財窃盗犯が韓国に持ち込んだことが発端だった。その後、浮石寺が16年、「仏像は浮石寺が元の所有者で、高麗時代に倭寇に略奪されたものだ」として提訴した。一審では浮石寺が勝訴したが、二審では敗訴した。7年間にわたる訴訟の末、大法院は仏像の所有権が観音寺にあるとの最終判断を下した。

 この仏像は観音寺に保管されていた「観世音菩薩坐像」で、1973年に長崎県の指定有形文化財に登録された。 2012年10月に韓国籍の窃盗犯が盗み、韓国に持ち込んだとして検挙され、窃盗犯が有罪判決を受けたことで韓国政府に没収されていた。

 日本政府が仏像の返還を要求したところ、16年に浮石寺が韓国政府を相手取り、仏像の引き渡しを求めて提訴した。仏像の中から「1330年ごろ、瑞州(瑞山の高麗時代の名称)にある寺に奉安しようと仏像を製作した」という記録が出てきたことを根拠に挙げ、「倭寇に略奪されたものであり、元の所有者である浮石寺に返還されるべきだ」と主張したのだ。これに対し、日本の観音寺も所有権を主張し、訴訟に加わった。

 一審は「浮石寺は高麗時代に創建された後、朝鮮時代に再建された寺であり、仏像は浮石寺の所有と推定できる」とした上で、「仏像が過去に盗難、略奪など正常ではない方法で、観音寺に運ばれたと判断される」とし、原告勝訴の判決を下した。

 しかし、二審は「過去の浮石寺と現在の浮石寺が同じ権利主体とは見なせない」とし「日本の観音寺が最初から適法に所有権を取得したという証明は不足しているが、一定期間問題なく占有し、所有権を時効取得した」と指摘し、原告逆転敗訴の判決を言い渡した。

 今回大法院も二審と同じ結論を下した。大法院は「仏像が高麗時代に倭寇によって略奪され、日本に不法搬出された蓋然性があるといった事情だけで、観音寺の仏像所有権の時効取得が排除されるとは言えない」と判断した。

梁銀京(ヤン・ウンギョン)記者

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