朴裕河教授に「親日」の烙印を押した人々、韓国大法院判決に立場を表明せず

共に民主・李在明代表、城南市長時代に「親日残滓」と批判
共に民主・李元旭議員「ゲッベルスの友」

 韓国の野党勢力は、『帝国の慰安婦』著者の朴裕河(パク・ユハ)世宗大学教授に対して「親日」の烙印(らくいん)を押したり、この論争を無視したりしてきた。進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、城南市長時代の2015年2月15日、朴教授の著書を巡る論争を取り上げた記事をフェイスブックでシェアした。その上で「この女…まだ教授職を維持しているのか? どうしてこんな人間と共に天を頂いて息をつくことができるだろうか…(泣) 清算すべき親日の残滓(ざんし)たち…」と書き込んだ。この書き込みには4700の「いいね」とおよそ660件のコメントが付いたが、その相当数は下品な言葉と悪口でつづられていた。李代表はその後、「この女」という表現を「この教授という人」に修正した。

 同じく共に民主党の李元旭(イ・ウォンウク)議員も2021年2月、朴教授などに向けて「ゲッベルスの友だちか」「いくら思想の自由があるといっても、是非の境界はある。同じ民族に対し、一線を越えてやいばを突き付けている」と述べた。尹美香(ユ・ミヒャン)議員は挺(てい)対協共同代表時代の2017年8月、あるメディアのインタビューで、朴教授が慰安婦被害者らの気持ちをよく理解していないという趣旨の発言をしたこともある。李代表などが選出職公職者の身分で朴代表を攻撃する行為は、権力による思想・表現・良心・学問の自由への抑圧となる余地があるにもかかわらず、左派・進歩陣営のほとんどはこれを傍観していた。政界関係者は「自分たち側の文化・学術陣が反対陣営の攻撃を受けたときは『ブラックリスト』などありとあらゆる非難をしていたのとは明らかに異なる雰囲気だった」と語った。

 李代表が城南市長を務めていた2016年6月、城南市中央図書館は『帝国の慰安婦』など朴教授の著書4点を「19禁」に指定した。城南市が管轄する盆唐・板橋・雲中・中院図書館も同様の措置を取り、「禁書」のレッテルを貼るものだという論争が起きた。2021年8月には「慰安婦被害者関連の歴史を否定・歪曲(わいきょく)する動きを処罰したい」という内容の慰安婦被害者保護法改正案が共に民主党主導で発議され、「表現と学問の自由を萎縮させる」という批判の声が出た。朴教授の慰安婦被害者名誉毀損(きそん)の疑いについて大法院(最高裁に相当)が無罪の判断を下した26日、共に民主党と李代表はいかなる公式見解も出さなかった。

ウォン・ソンウ記者

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  • ▲朴裕河・世宗大学教授と、朴教授が2013年に出版した著書『帝国の慰安婦』

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