「四肢不全」なのに車いすから立ってコンビニへ…文政権時代に「ニセ労災患者」急増

5年間で「労災認定」件数が3倍増

「四肢不全」なのに車いすから立ってコンビニへ…文政権時代に「ニセ労災患者」急増

 大邱市内に住むA氏(48)は外出時、車いすに乗る。8年前に発症した頸椎(けいつい)椎椎間板ヘルニアを理由に、2021年に「労災基金」という公的資金を通じて車いすの提供を受け、のちに「四肢不全まひ」と認定された。それ以降、「勃起不全」「便秘」「便失禁」など相次いで労災で追加申請し、全て承認された。そのA氏が人の出入りが少ないコンビニエンスストアでタバコを買う時、車いすから立ち上がって歩いている姿が23日、カメラにとらえられた。A氏がこの8年間で職場に出勤した期間は半年にもならない。その8年間で年平均4604万ウォン(約510万円)がA氏の通帳に入った。これとは別に、職場ではA氏の退職金も毎月積み立てている。

【写真】コンビニでたばこを買った後、車イスで帰る「四肢不全まひ」労災患者

 「労働親和(労働者にやさしい)」を前面に掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権の5年間で「労働災害(労災=業務上の病気・けがなど)」判定件数が3倍近く増えていたことが分かった。

 韓国勤労福祉公団が26日、与党・国民の力のイ・ジュファン議員に提出した資料によると、年間労災認定人数は2016年に7876人だったが、その翌年から9183人→1万1473人→1万5195人と跳ね上がり、一昨年は2万435人だったとのことだ。

 労災認定の増加は勤労福祉公団にとって「金」になった。同公団が直営する労災病院は2013年から17年にかけて累積営業「損失」を564億ウォン(約63億円)出した。しかし、その後5年間は累積営業「利益」を471億ウォン(約52億円)挙げた。

 「テニス肘」で73日間入院し、925日間療養した事例では療養費が約9000万ウォン(約1000万円)かかった。一般病院のテニス肘療養期間は約4週間だ。「五十肩」と類似した痛みの「回旋筋腱板の筋肉および腱の損傷」などで労災認定された患者11人は平均361日間入院し、801日間病院に通った。彼らに入った1人当りの平均保険給付は2億5187万ウォン(約2800万円)だった。この疾患の一般病院の治癒期間は約12週間だ。

 その背景には、組織的に行われた「制度的門戸開放」がある。

 2017年以降、文在寅政権はいわゆる「推定の原則」を導入、明確な因果関係がなくても労災を認めた。そうした状況で勤労福祉公団は同年、労災患者のみの特別酬価項目を新設し、一般病院では健康保険処理が不可能な項目に対しても、労災保険基金を受け取れるようにした。2018年には労災認定過程の必須だった「外部医学諮問」条項もなくした。患者が直営病院に行くようにすれば褒賞金も与えた。入院患者は1人当たり1点、通院患者は0.33点ずつとし、高得点の公団支社には褒賞金を与えた。

 イ・ジュファン議員は「文在寅政権は公団-直営病院-ニセ患者の『労災カルテル』に翼を与え、公的資金の損失を招いた」と批判した。

チェ・フンミン記者

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