EV輸出、中国が圧倒的首位…世界各国で障壁構築相次ぐ

 日本は国内での電池生産量に比例して、税額控除を受けられるようにする「戦略物資生産基盤税制」の導入を検討中だ。これは米国のIRAと類似した制度で、中国への依存度が過度に高い電池のサプライチェーンを再編する狙いがあるとされる。

 欧州連合(EU)は今年9月、中国から輸入するEVについて、中国政府が支給した補助金に違法性がないかどうか調査に着手した。調査結果に基づき、高い関税を課すことを検討している。ブラジルも関税カードを切る。現在EVの輸入関税を免除しているが、今後3年間で税率を最高35%まで引き上げる方針だ。

■電池用鉱物では「資源民族主義」

 自動車生産インフラはないが、EVの重要部品である電池に使用される鉱物を産出する国では、EV産業に便乗した「資源民族主義」が強まっている。リチウム埋蔵量世界10位のメキシコは9月末、中国企業に与えた採掘権を回収した。メキシコは昨年、リチウムの採掘や商業化を政府が独占できるようにする法律も制定した。リチウム埋蔵量世界1位のチリも4月にリチウム産業の国有化を発表。インドネシアは2019年からニッケルの輸出を全面中断している。マレーシアも9月、首相がレアアースの原料輸出を制限する政策を導入すると発表した。

■韓国は政策手段不足

 各国でEVに対する障壁が高まっているが、専門家は韓国にはこれといった政策手段がないと懸念している。韓国の自動車産業の規模は年間約730万台だが、約600万台が輸出や現地生産を通じて海外で販売される。欧米のように補助金や関税などで障壁を高めれば、海外市場で中国以外からも制裁や報復を受ける恐れがある。

 自動車業界関係者は「既に韓国のEV補助金制度が自動車技術力を評価に反映し、韓国車だけに有利だという中国・欧州の抗議がある」とし、「韓国車が海外で消費者に選ばれるほどの商品性を備えられるように企業の競争力を育てるしかない」と述べた。

鄭漢国(チョン・ハングク)記者

【グラフ】急増する中国の自動車輸出

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