繰り返し授業妨害する児童へのレッドカードは「教育目的」…韓国憲法裁が教諭の起訴猶予処分取り消し

繰り返し授業妨害する児童へのレッドカードは「教育目的」…韓国憲法裁が教諭の起訴猶予処分取り消し

 授業時間中に騒いだ初等学校(小学校)児童の名前が書かれたカードを黒板に貼り付け、掃除をさせた教師に対して検察は起訴猶予の決定を下したが、憲法裁判所は検察のこの決定を取り消した。起訴猶予とは「容疑は認められるが、反省や被害の程度などを考慮し起訴はしない」というもの。前科として記録されることも、また公務員の人事記録カードに記載されることもないが、懲戒の理由になることはある。

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 憲法裁判所は裁判官9人全員一致で起訴猶予処分を取り消した。憲法裁判所が10月31日に明らかにした。法曹界からは「警察と検察による捜査と処分に無理があったことが認められた」「(検察の決定が)教権縮小の動きを促したとの批判は避けられそうにない」などの指摘が相次いでいる。

 初等学校2年生の担任だったこの教師は2021年4月、授業中に騒いだ児童がペットボトルで遊びながら大声を上げたため注意した。しかし児童は同じ行動を繰り返したことから、教師は児童の名前が書かれたカードを黒板の「レッドカード」と書かれた場所に貼り付け、放課後に教室の床を掃除するよう指示したという。

 すると児童が下校した直後に親が学校を訪れ「児童虐待だ」として教師の交代を8回要求した。親は教師を2021年7月に児童福祉法違反で警察に訴えた。

 全州地検は教師の行為について「精神的虐待に相当する」と判断し、昨年4月に起訴猶予処分とした。これに対して教師はこの処分を不当として憲法裁判所に審判を求めた。

 憲法裁判所は「教師は教育目的でレッドカードを出したと考えられる」「この点について捜査をせず、起訴猶予としたのは捜査が不十分でかつ恣意(しい)的な検察権の行使だ」と指摘した。

 また大法院(最高裁判所に相当)は児童の親が教師に直接抗議し、また単任の交代を要求した行為について「教権侵害に相当する」との判決を14日に下した。

イ・スルビ記者

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