文前大統領に履物を投げつけた60代男性、大法院で無罪判決

 2020年7月に国会で文在寅(ムン・ジェイン)大統領(当時)に対し自ら履いていた靴を投げつけ、公務執行妨害と建造物侵入の容疑で起訴されたチョン・チャンオク氏(62)の無罪が大法院(最高裁判所に相当)で確定した。

【写真】文前大統領に投げつけられた靴

 文前大統領は2020年7月16日午後1時28分頃、国会開会の演説を終え国会議事堂本館正門から階段を降りていた。その際、チョン氏は履いていた靴を脱いで文前大統領に投げつけ「偽の人権、偽の平和、偽善者は大韓民国から去れ」などと何度も叫んだ。チョン氏が投げつけた靴は文前大統領に当たらなかった。

 チョン氏は現場で逮捕され、公務執行妨害と建造物侵入の容疑で起訴された。その後、チョン氏は2020年8月15日の光化門集会の際に警察官を暴行した容疑、また同年1月に旅客船「セウォル号」沈没事故犠牲者遺族を侮辱した容疑についても同時に裁判を受けた。「履物事件」に対する逮捕状が棄却された後、検察は警察官暴行の容疑でチョン氏の身柄を拘束した。この拘束期間満了前に裁判所はセウォル号遺族に対する侮辱で拘束期間の延長を職権で決めたが、これについては「非常に異例」との指摘も相次いだ。

 一審の裁判で「履物事件」は公務執行妨害で処罰できないとの判断が下された。「大統領の職務執行を妨害するほどではない」というのがその理由だ。ただし裁判長は国会への無断侵入、警察官への暴行、セウォル号犠牲者遺族に対する侮辱については有罪と判断し、懲役10月、執行猶予2年を宣告した。これに対して二審の裁判では「国会前は誰もが立ち入りできる空間だ」として国会への無断侵入を無罪とし、量刑を懲役8月、執行猶予2年へと軽くした。

 大法院1部(主審オ・ギョンミ判事)は3日「二審の判決は妥当」として判決をそのまま確定した。

李世永(イ・セヨン)記者
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  • ▲2020年7月16日午後、国会で開催された第21代国会の開会式終了後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領(当時)が出てきた際にチョン・チャンオク氏(62)が自分の靴を脱いで文前大統領に投げつけ、文前大統領の政策を批判した。チョン氏は警護関係者らによりその場で直ちに取り押さえられた。/李徳熏(イ・ドクフン)記者
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