(アンカー)
韓国の全国各地でトコジラミの発生が相次いでいます。韓国政府が「対策本部」を設けて緊急会議を開いたほどですが、トコジラミは耐性が強く、殺虫剤をまいても除去が難しい上、その繁殖力は想像を絶するレベルなので、不特定多数の人々が利用する施設だけでなく、海外旅行も避けようとする現象まで一部には出ています。
パク・ハンソル記者がお伝えします。
(記者リポート)
ソウル市竜山区にある小さな賃貸部屋の一室。66歳のパクさんの手の上でトコジラミがはい回っています。
寝具にはトコジラミにかまれたことによる血痕があちこちに残っています。
(パクさん/住人)
「4匹捕まえました。本当に言葉にできないほどかゆいです」
1970年代にいなくなったと思われていた「トコジラミ」がソウル市内のあちこちで猛威を振るっているのです。
(ペ・グンウさん/消毒会社スタッフ)
「ベッドに血痕もたくさんあります。家具やすき間など、空いている所があったら、トコジラミが入りやすい場所だと思ってください」
寝室で見つかったトコジラミの幼虫です。目に見えないほど小さいですが、普通は1匹でも幼虫が見つかると、家のあちこちに数百匹が隠れている可能性が高いと言います。
トコジラミはメスが10匹いれば5カ月で59万個の卵を産むほど繁殖力が強い上、食べる物がなくても約120日間生きられるほど強い生命力を持っています。
一部の人々は地下鉄の座席も注意深く見るようになったと言っています。
(キム・ギョレさん/ソウル市西大門区)
「学校が地下鉄2号線沿線にあるので、座ったら移るんじゃないかと思って…」
海外旅行に行きたくなくなったという声もありました。
(キム・ギドさん/ソウル市麻浦区)
「海外に行くのも少し嫌になるし、外国人に会うのも少し嫌になるかもしれません」
政府はきょうの「トコジラミ政府合同対策本部」の初緊急対策会議を皮切りに、政府を挙げてトコジラミ除去と被害拡大防止に着手する計画です。
TV朝鮮のパク・ハンソルがお伝えしました。
(2023年11月3日放送 TV朝鮮「ニュース7」より)