ドイツの女性外相に「不適切なキス」で物議 クロアチア外相謝罪

世論「西欧の伝統的なあいさつでも同意のないキスは不適切」

 欧州連合(EU)外相会議で、クロアチアの男性外相がドイツの女性外相にあいさつする際、キスをして物議を醸している。ドイツのdpa通信が4日(現地時間)、報道した。報道によると、クロアチアのゴルダン・グルリッチ=ラドマン外相(65)は2日、ドイツ・ベルリンで開かれたEU外相会議で、集合写真の撮影中に隣に立っていたドイツのアナレーナ・ベアボック外相(42)に握手した後、ほおにキスしたという。ベアボック外相は突然のキスに戸惑ったかのようにためらい、顔を反対側に向けた。この様子がソーシャル・メディアに急速に広まり、外交問題に拡大する兆しを見せている。

【写真】クロアチア外相が独女性外相に「不適切なキス」

 クロアチアの女性団体は「グルリッチ=ラドマン外相の行動は非常に不適切だった」とコメントした。クロアチア初の女性首相を務めたヤドランカ・コソル氏も「女性に強制的にキスをすることも暴力だ」と加勢した。グルリッチ=ラドマン外相は騒動が広がっているのを受け、「誰かが悪い意味で受け止めたなら謝罪する」と述べた。同外相はベアボック外相に会えてうれしいという気持ちを表現しただけだったとした上で、「(キスは)温かい人間的な交流だった」と言った。

 軽いキスは欧米圏で伝統的なあいさつの習慣だった。2011年にインドネシアのバリで行われた韓国・オーストラリア首脳会談時、オーストラリアのジュリア・ギラード首相は李明博(イ・ミョンバク)大統領のほおにキスした後、顔についた口紅を自らふき取るなど、自然な「キスのあいさつ」を交わした。

 しかし、最近は相手の同意を得ていないキスは不適切だという世論が高まっている。今年8月、オーストラリアのシドニーで行われたサッカー女子ワールドカップ(W杯)決勝戦の表彰式で、優勝したスペイン代表のFジェニファー・エルモーソ選手の口に突然キスをしたスペイン・サッカー協会(RFEF)ルイス・ルビアレス会長=当時=が「強制的なキス」だったとして批判され、会長の職を退いた。今年2月にはジョー・バイデン米大統領が国政演説をした時、ファーストレディのジル・バイデン夫人とカマラ・ハリス副大統領の夫ダグラス・エムホフ氏が会い、ほおではなく口に軽いキスをした。この様子が報道されると、米国では「配偶者でなければ口にキスをしてはならない」などの批判論と、「友人の間ではよくするあいさつ」という擁護論が対立した。

キム・ナヨン記者

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