仁川空港で倒れた苫小牧市長、韓国法務部職員が心肺蘇生法で救助

 仁川国際空港の入国審査場で意識を失って倒れた70代の日本人男性を韓国法務部(日本の省に相当)職員が心肺蘇生(そせい)法で救った。倒れた男性は出張で韓国を訪れた北海道苫小牧市の岩倉博文市長(73)だった。

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 チョソン・ドットコムの取材を総合すると、7日午後5時26分ごろ、仁川空港第2旅客ターミナル2階の入国審査場で札幌から到着した70代の日本人男性1人が待機中に倒れたとのことだ。この男性と一緒に来た人々は突然の事態に戸惑い、入国審査場も騒然とした。

 当時、現場を監督していた法務部仁川空港出入国・外国人庁のチョン・ジョンソプ・チーム長(53)=審査第13課=は、緊急事態が発生したことを把握した。同チーム長は他の職員に対して119に通報して近くにある自動体外式除細動器(AED)を持ってくるよう指示した後、直ちに倒れた男性のところに駆けつけた。

 チョン・チーム長は出入国管理所の8級・9級職員2人に対し、倒れた男性の手足をさするよう言った後、自身は心肺蘇生法のために男性のシャツを破った。同チーム長は当初、AEDを使用しようとしたが、男性の胸に心臓病の患者が貼っているとみられるパッドが付いているのに気付いた。このため、AEDを使用するとさらに大きな事故が起こる可能性があると判断、素手で心肺蘇生法を行ったことが分かった。

 チョン・チーム長は10分間心臓マッサージを続け、間もなく到着した救急隊員に男性を引き渡した。この男性は仁荷大学病院の空港医療センターに搬送されて治療を受け、意識と呼吸を回復した。同チーム長をはじめ出入国管理所の職員たちは緊急の事態に備えて普段から心肺蘇生法の訓練などを受けているという。

 この日本人男性は北海道苫小牧市の岩倉博文市長であることが分かった。朝日新聞など日本の各メディアによると、岩倉市長は苫小牧港のPRのため、一行30人と7日から10日までの日程で釜山などを訪問する予定だったとのことだ。出入国職員たちは当時、岩倉市長が政治家だとは知らなかったという。

 岩倉市長は自由民主党出身の政治家だ。2000年に衆議院議員として政界入りし、2006年に苫小牧市長に当選して以来、現在5期目を務めている。

チェ・ヘスン記者

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