100円=860ウォン台 韓国に「円テク族」登場、日本からの個人輸入も急増

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 ソウル中心部の光化門で働く会社員Lさん(34)は今年、日本旅行に2回出かけた。今月末にも3泊4日で東京旅行を計画している。Lさんは「7月の夏休み当時はウォン・円相場が100円=920ウォン前後だったが、最近さらに円安が進んだため、もう一度旅行日程を組んだ」と話した。Lさんは今月6日に円が860ウォン台まで下がると、円を130万ウォン相当購入し、外貨預金したという。

【グラフ】日本からの個人輸入の推移

■スーパー円安で円テク族増加

 ウォン・円相場が約15年ぶりに860ウォン台の円安を記録し、安いうちに円を買おうとするいわゆる「円テク族」が増えている。文字通り「円」と「財テク」の合成語だ。円買いと円建て貯金が増え、日本を訪れる旅行客も目立つ。また、日本の通販サイトででショッピングを楽しむ「個人輸入族」も増えている。昨年初めまではウォン・円相場が1000ウォン程度だった。日本旅行で10万円を使うのに昨年初めは100万ウォンが必要だったが、今は86万ウォンで済む。日本の通販で直接購入する場合、同じ製品が円安効果で1年前より10%以上安くなった。

 韓国で152万人が登録しているインターネット上の日本旅行コミュニティーには7日、こんな旅行記が投稿された。

 「韓国で270万ウォン(約31万円)で売っているDブランドのバッグが日本では28万円だった。さらに百貨店のシーズン割引5%が適用されて25万4547円。関税を11万ウォン余り払ったので、総費用は約230万ウォン。今回の旅行の最大目標を達成できて幸せだ」

 そこには「iPhoneも円テクで買えばよい」「私も早く円を買って、預金しておかないと」といった数十件のコメントが付いた。

 6日のウォン・円相場は867.59ウォン(仲値)だった。2008年2月14日以来15年7カ月ぶりの円安水準だ。円安が進むにつれ、円を大量に買おうとする人が増えている。韓国の5大都市銀行(KB国民・新韓・ハナ・ウリィ・NH農協)の円預金残高は3日現在で1兆1110億円となり、4月(5978億円)の2倍近くに増えた。ハナ銀行関係者は「今月1~3日の3日間だけで621億円が円預金に集中した」と話した。10月の1カ月間の円預金受け入れ額の約4倍に達したという。

■今年の韓国人訪日客、1800万人突破へ

 日本を訪れる韓国人旅行客がコロナ以前の水準を取り戻した。航空情報ポータルシステムによると、昨年10月から今年9月までの期間に仁川、金浦、金海、済州など全国の国際空港8カ所から日本を訪れた旅客は1600万1732人だった。韓国国土交通部関係者は「海外旅行客のうち3~4人に1人は日本に行った計算だ」と話した。現在の傾向が続けば、今年日本を訪れる韓国人旅行客は1800万~1900万人となり、コロナ前の19年(1886万人)を超える可能性もある。

 日本への航空定期便もコロナ前の90%ほどまで回復した。国土交通部によると、日本への冬ダイヤの定期便は往復で最大週4300回が見込まれる。9月の週平均3823回に比べ477回増えた。19年の週平均が4619回だったのに比べると、コロナ前の93%まで回復した。

 円安を利用した日本からの個人輸入も引き続き増えている。関税庁によると、昨年1年間、韓国の消費者がインターネット通販で日本から購入した金額は約4333億ウォンだった。20年は約2591億ウォンだったので、67%増えた計算だ。今年1~9月は3449億7400万ウォンとなり、昨年通年の80%に達した。通常冬季は個人輸入が増えるため、今年通年では5000億ウォンを超え、過去最大を記録すると予想される。

宋恵真(ソン・ヘジン)記者

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