AIが声を聞いただけで糖尿病かどうか判別する

 人間の声で糖尿病の診断をすることができる人工知能(AI)モデルが開発された。6秒から10秒ほどの文章を読むと、各声の音響的特徴を分析し、糖尿病かどうか調べることができるというわけだ。

 カナダのクリック研究所の研究チームは、年齢や性別、身長、体重など、基本的な健康データとスマートフォンに録音された声で2型糖尿病かどうかを86%以上の正確度で判別することができるAIを開発した、と発表した。研究結果は10月18日(現地時間)、医学ジャーナル「Mayo Clinic Proceedings」に掲載された。

 国際糖尿病連合によると、世界中で糖尿病を患っている成人2人のうち1人の割合で、自分が糖尿病を患っていることを知らずにいるという。それほど糖尿病の診断に対するアクセスが重要というわけだ。糖尿病患者の90%は2型糖尿病を患っており、糖尿病診断検査としては、病院で受けられる空腹時血糖値検査や糖化血色素検査などがある。

 研究チームは、健康な人192人と2型糖尿病患者75人に対し、2週間にわたり毎日6回、スマートフォンで一文ずつ録音してほしいと要請した。参加者の年齢、性別、身長、体重などのデータもともに調査した。研究チームはこうして得た1万8465件の録音データから14の音響的特徴を分析し、健康な人と2型糖尿病患者の違いを見つけ出した。これを基につくられたAIは、女性は89%、男性は86%の正確度で糖尿病かどうかを判別した。正確度は、既存の空腹時血糖値検査や糖化血色素検査、経口ブドウ糖負荷試験と同じような水準だ。

 研究チームは「音声技術はアクセスしやすく、低価格なことから、糖尿病判断方式に大きな変化をもたらすだろう」とした上で「これから糖尿病、フェムテック、高血圧のような分野で音声診断を活用することができるよう、研究を拡大していく」と話している。

ファン・ギュラク記者
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