環境保護デモ隊に道をふさがれた77歳元弁護士、車から降りて発砲して2人死亡 /パナマ

「銅鉱山開発」巡る反政府デモ激化

 中米パナマの高速道路で、道をふさいでデモをしていた環境保護活動のデモ隊に向かって白髪の高齢の男が銃を撃ち、2人が死亡するという惨事が発生した。パナマでは最近、外国企業に最長で40年間にわたり鉱山開発を許可する法案を巡って反政府デモが続いているが、これが道路占拠などを伴うデモに発展し、これで死亡者は4人になった。米CNNなどが8日(現地時間)に報道した。

【写真】反政府デモ隊に向けて銃を撃つケネス・ダーリントン容疑者

 報道によると、7日、首都パナマシティから約80キロメートル離れた高速道路パンアメリカン・ハイウェーで、鉱山開発契約承認法に反対する反政府デモをしていたデモ隊2人が銃で撃たれて死亡したとのことだ。デモ隊の道路占拠により足止めされていたケネス・ダーリントン容疑者(77)が自分の車から降りてデモ隊と口論になり、そのまま銃を発射したという。

 目撃者たちが交流サイト(SNS)「X」(旧ツイッター)に掲載した動画を見ると、白髪の高齢の男が車から降りてデモ隊に向かって近づき、一言言ったかと思うと、ズボンの右ポケットから銃を取り出した。そして、拳銃で脅しながら、デモ隊が築いたタイヤなどのバリケードを撤去し始めた。

 デモ隊とのもみ合いが激しくなるかと思われたその時、この男はデモ隊に向かって銃を撃った。撃たれた男性1人はその場で倒れ、もう1人の男性も数歩移動して倒れたものとみられる。男は犯行後も現場を離れずにバリケードを撤去し続けた。この時、現場にはデモ隊をはじめ、放送局や新聞社などの報道関係者もいたという。

 英紙タイムズによると、犠牲者の1人アブディエル・ディアスさんは現場で死亡が確認されたという。また、もう1人の被害者イバン・ロドリゲスさん(62)は、近くのサン・カルロス村にあるフアン・ベガ・メンデス病院に搬送されたが、病院に到着してすぐ死亡が確認されたとのことだ。パナマ生まれで米国国籍を持つダーリントン容疑者は元弁護士で、過去にも銃器の違法所持で有罪判決を受けている。

 パナマ公共安全省は「警察はこの男の身元を確保し、逮捕した」として、関連動画をSNSに掲載した。パナマのラウレンティノ・コルティソ大統領は「火曜日、西パナマ県で命を失った2人の市民のご遺族に哀悼の意を表する」「互いに連帯して生きていくパナマ社会で、あり得ないことが起こった」と述べた。

 パナマはこのほど、カナダ企業と韓国鉱害鉱業公団が出資した「ミネラ・パナマ」が大規模銅鉱山開発権を2021年12月から20年間持ち、その後も20年間契約延長できるとする法案を通過させた。反政府デモ隊はこれに強硬に反対し、街頭行進や路上の座り込みなどのデモを行ってきた。先月26日と今月1日にもコロン県とチリキ県でデモ中に車にはねられた2人が病院で治療を受けたが、死亡したことが後になって分かった。

イ・ヘジン記者

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